 |
5回表延岡学園2死満塁、西本の左越え二塁打で、三塁走者小園(6)に続き二塁走者大西が生還。この後一塁走者尾崎もかえる。(3)は次打者の山田
|
第78回選抜高校野球大会に出場した延岡学園は27日、今治北(愛媛)に12―9で敗れ、初戦突破はならなかった。両校計22安打の乱打戦。4点を先制された延岡学園は5回に一挙9得点して逆転したが、その後、連係プレーのミスなども出て看板の「堅守」が崩れ、リードを守れなかった。
◎…「悪いな、頼む」。6回裏2死一、二塁のピンチ。主戦大西は交代のため駆け寄った一塁手の山田にボールを託し、マウンドを降りた。
今月12日の練習試合で右ひじの靭帯(じんたい)を痛め、一時はものを持つこともできなくなった。それから2週間。試合直前、痛み止めの薬を5錠飲み、右ひじにテーピングを強めに巻いた。回復してきたとはいえ、「何もかもがいつもとは違った」。
得意のスライダーに切れがなく、普段130キロは出る直球も120キロ台止まり。1、2回はしのいだが、3回裏2死走者なしから四球を与え、4連続被安打で4失点。スライダーを狙い打たれ、本塁打を浴びた。
5回表、味方打線が奮起した。1番から9番まで左打ちと右打ちが交互に並ぶ。1死一、三塁から山田の左前適時打で口火を切ると、5安打に相手失策や四球がからみ、打者一巡で9得点。先発全員が本塁を踏んだ。
だがリードはつかの間だった。6回、大西は4安打を浴び、同点に追いつかれて降板。「自分がゲームをつぶした」。ベンチから祈るような気持ちで山田の投球を見守るしかなかった。
これまで先発の山田を大西が救援したことは何度もあるが、逆は初めてだった。試合前、山田は浜崎監督に「準備しておけ」と言われていた。だが大舞台への心の準備は難しかった。「てんぱった」という投球で二塁打を浴び、さらに四球と押し出しのボークで逆転を許した。
試合後、大西は「こんな投球で終わるわけにはいかない。絶対、夏は戻ってくる」と悔しがった。その思いは山田も、ほかの選手たちも同じだ。5回の全員攻撃に、浜崎監督は「夏にむけて可能性がみえた」と語った。大西は甲子園の土を拾い集めなかった。
◆粘り強い相手、手本になった(延岡学園・浜崎満重監督)
攻守ともに予想外の展開が続いて戸惑った。5回に9点得点したのは褒めたい。しかし、2死から得点する今治北の粘り強さは良い手本になった。冷静に振り返り、バッテリーを中心に鍛え直したい。
◆精神面を鍛え夏にまた来る(延岡学園・小園雄也主将)
5回に5点リードしたときも油断はなかったが、リズムに乗れなかった。甲子園の雰囲気と相手の勢いにのまれた。自分もピンチで間がとれず、悔いが残る。精神面を鍛え、夏にまた来たい。
◆打つべき人が好機で打った(今治北・木村匠監督)
乱打戦になるとは予想していなかったが、初出場で1勝できたことがうれしい。打つべき人がチャンスで打ってくれた。ただ、守備が看板のチームなのに失策が目立った。次戦は地に足をつけてプレーしたい。
◆連打ができて打撃は100点だ(今治北・山本恭介主将)
防御率0.99の大西投手から連打できたのは奇跡に近い。打撃は100点だが、エラーが多く負けパターンだった。チーム一丸で相手に向かう気持ちがあったのが勝因。次は最少失点に抑え締まった野球をしたい。