2連覇を飾った駒大苫小牧に拍手を送りたい。野球のレベルが高くなった近年、桑田、清原の「KKコンビ」を擁したPL学園でさえ成し遂げられなかった快挙は見事というしかない。
松橋、田中ら質の高い本格派投手と堅い守備、驚異的な粘りがチームの特色だった。昨夏を経験した林主将のリーダーシップ、「北の挑戦者」の意識改革でまとめ上げた香田監督の手腕のたまものだ。
京都外大西は今夏で勇退する三原監督と選手の堅いきずなが、力以上のものを発揮させた。抑えの切り札・1年生の本田の台頭抜きには語れない。本田をはじめ中田(大阪桐蔭)、高橋(宇部商)、美濃(酒田南)ら好素材の1年生が目立ったのも特徴だ。
敗れて強し、を印象づけたのが大阪桐蔭。剛腕・辻内、強打の平田と超高校級の軸がそろい、久しぶりにスケールの大きいチームの躍進だった。
宇部商の左腕・好永は抜群の制球をみせた。4強は投手力をはじめ、打力、堅守が備わっていた。選手権大会を勝ち抜くには選抜以上の「総合力」が欠かせない。
平田(大阪桐蔭)の1試合3本、船引(関西)の2打席連続の本塁打記録が生まれた。32本塁打は昨年並みだが、豪快な一打が多く、パワー野球の浸透がうかがえる。
今大会、終盤にもつれる試合が相次いだ。国士舘、京都外大西、駒大苫小牧らが劇的な逆転劇を演じた。そうした粘りは称賛されるが、裏返せばリードを守れないひ弱さ。投手の肩、精神面のスタミナ不足である。
失策は117個と横ばいで、相変わらず送球ミスが多い。また、宇部商の敗因でもあった挟殺プレーのミスが目立った。走者を追うスピードや球を離す、受ける呼吸を磨いて欲しい。
初陣の清峰が愛工大名電、済美を連破した。左腕・古川のけれん味のない投球、相手戦術の研究が功を奏した。野球留学が幅をきかすなか、地元の選手だけでもやれることを示した。
開幕直前、明徳義塾が不祥事で出場辞退。この難局を高知が懸命なプレーで救った。各校の指導者は部のあり方を再点検するとともに、高野連との連絡をより密にして欲しい。(井上明)