試合後、お立ち台に上がったのは、エース左腕の辻内でも、4番打者の平田でもなかった。先頭打者の篠原だった。
3試合連続で1打席目に安打を放ち、いずれも先制のホームを踏んでいる。大阪桐蔭の勝ちパターンだ。
この試合もそう。1回、篠原は球を見極める。清峰の左腕古川のきわどいコースに手を出さず、カウント0−3。フルカウントまで待ち、内角直球をたたきつけた。高いバウンド。遊撃手の肩との競争となったが、先に一塁を駆け抜けた。
「ゴロを打って、思い切り走るだけ。僕が出たら、後の打者がかえしてくれる」と篠原。
四死球で2死満塁とし、6番米川の中越え二塁打で一挙3点。愛工大名電、済美を破った清峰の出ばなをくじいた。
5回には再び先頭で打席に立ち初球のカーブを引っ張って左翼席へ公式戦初本塁打を放った。
篠原は「主軸につなげていく役目だから(主役は)平田とかに持っていってもらっていい」と笑った。スポットライトを浴びても「良いところを見せられたかな」と控えめだ。西谷監督は「平田、辻内と言われるけど、『みんなでつないで』が合言葉。そういう意味で大収穫」と話した。
大阪勢の8強入りは80回記念大会(98年)での関大一(北大阪)とPL学園(南大阪)以来。152キロの速球や豪快な打撃で5万人の観客を沸かせる投打の柱も大阪桐蔭にはいるが、主役の活躍を引き立てる選手層の厚さがそれを支えている。