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暑さと緊張、失った余裕 マスクに涙 修徳・菊入捕手2010年07月28日 (高校野球 関東一6―5修徳)
目の前をサヨナラの走者が駆け抜けた。へたり込むように腰を落とす修徳の捕手・菊入滉平(3年)。マスクをかぶったまま空を見上げた目から、涙があふれた。 強肩捕手で3番を打つ菊入と、速球投手で4番打者の三ツ俣大樹(同)。今年の修徳は「2人のチーム」と言われた。 同じ葛飾区の少年野球でライバルだった。その関係は同じチームでバッテリーを組んでも変わらなかった。打撃練習では「いいところを盗んでやろう」と、三ツ俣を見て研究した。試合になると、前を打つ自分が塁に出て、「ノーサインでも走る」動きで相手を揺さぶり、2人で得点機を作った。 この試合、菊入は三ツ俣の投球を「良すぎるぐらい調子がいい」と感じていた。初回から直球主体で真っ向勝負し、3回まで安打1本に抑えていた。「このまま試合に集中できれば勝てる」と思った。 自慢の肩でも三ツ俣を助けた。1回と3回には、相手の二盗を阻止。4回には一塁走者を鋭い牽制(けんせい)球で刺した。 攻撃では1点を追う7回、菊入の左翼フェンス直撃の適時二塁打に続いて三ツ俣が中前安打を放つ。この回5点をあげて試合をひっくり返した。 「いけるぞ!」。その裏、ベンチを飛び出て守備についた菊入は、両足の太ももがつってしまう。三ツ俣も8回裏の投球前、足がつって治療を受けた。 これまでの5試合中4試合が7回までのコールド勝ち。8、9回の経験は少なかった。厳しい暑さと決勝戦独特の緊張の中で最終盤に突入した2人は、最後に関東一の粘りの打線につかまった。 菊入は「2人とも自分のことで精いっぱいになってしまい、みんなを助けてやれなかった」と悔いた。 チームで主将、学校では生徒会長を務める菊入。試合後、泣き崩れる仲間たちの背中を「早く整列しよう」と押して回った。チームの誰もが認める「主将らしい主将」は、神宮で最後の夏を終えた。=敬称略(平嶋崇史) 地方大会ニュース
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