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〈東京・熱戦を支えて(下)〉選手の体と対話する2010年07月08日 開幕を目前にした2日午後、都清瀬のグラウンド脇で、理学療法士の北野守人さん(36)が城間直哉投手(3年)の体をほぐしていた。
「足首どう?」。時折声をかけながら、城間投手の腕を上げたり、肩を押したり。体と対話するように、じっくりと15分ほどかけた。 北野さんは東村山市の総合病院に勤めながら、週に1〜2回、ボランティアで都清瀬の練習を訪れる。選手に準備運動のやり方を指導し、希望者にはマッサージを施す。 城間投手が足首をひねって痛めたのは3月の練習中。春の都大会1次予選に先発、10失点した翌日のことで、チームメートや監督には言い出しにくかったが、北野さんにだけは打ち明けた。 診てもらうと、両足首の靱帯(じんたい)が伸びていた。北野さんの助言で練習後には必ず足を氷水につけ、西東京大会に備えた。4日の明治戦に先発、試合は逆転負けに終わったが、「完投できてうれしかった。ありがとうございました」と北野さんに頭を下げた。 北野さんは都小平南のセンターだった高校時代、肩とひざの痛みに苦しんだ。整骨院では「野球のやりすぎ。関節が炎症を起こしている」と言われたが、「練習を休むとポジションを取られてしまう」と隠し通した。 進学した玉川大学では野球を断念。卒業後は家業の内装業を手伝って、すっかり野球から遠ざかった。 1997年ごろ、目の不自由な人と一緒にスポーツを楽しむボランティア活動に参加した。参加者から「転んで足が痛くて歩けなかったのに、理学療法士さんと練習して歩けるようになった」と聞き、この仕事に興味を持った。 病院で助手をしながら4年間、夜間の専門学校に通い、資格を取った。現在は骨折や脳卒中、リウマチ患者のリハビリを担当している。 高校時代に軽視していたことの大切さが、今ならわかる。たとえばストレッチ。関節を大きく動かせるようになることで、接触プレーなどでのけがが少なくなる。試合や練習の後にやれば疲れも取れる。「あの頃から分かっていれば」と思うこともあった。 そんな北野さんに昨年、東・西東京大会の役員を務める高校時代の恩師から「大会のメディカルサポートをやってほしい」と声がかかった。二つ返事で引き受けた。 けがの応急手当てや投手のアイシングをするために、球場で待機する。昨年は準々決勝以降の試合に立ち会い、約40件の処置をした。痛さを隠してでも試合に出たい気持ちを知っているからこそ、「プレーに影響がないように」とテーピングのやり方一つにも気を使う。 肩とひざの痛みをこらえながら白球を追っていたころから、20年近くが過ぎた。「けがをしないで、力いっぱいプレーしてほしい」。そう願いながら、今年も22日の西東京大会準々決勝から、神宮球場に詰める予定だ。(山本奈朱香) ◇ メディカルサポート 選手を肩やひじの故障から守るため、理学療法士が球場に待機し、けがの応急処置をしたり、試合後のクールダウンの方法を指導したりする制度。日本高校野球連盟の呼びかけで全国34都道府県で実施されており、東・西東京大会では昨年から準々決勝以降の7試合で導入した。 地方大会ニュース
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