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地方大会ニュース

「屈指の右腕」の夢、一球に散る 塔南・森脇投手

2010年07月23日

(高校野球 龍谷大平安2―1塔南)

写真塔南―龍谷大平安 5回表塔南無死、高橋温の邪飛に二塁手高岡が飛び込むが右翼手谷と交錯して捕れず=わかさスタジアム、高橋一徳撮影
写真塔南の森脇亮介投手=わかさスタジアム、竹山栄太郎撮影

 身長175センチ。しなやかな細身の右腕から繰り出す直球は最速146キロ。スライダーにチェンジアップと、変化球も多彩に投げ分ける。

 塔南の3年生エース・森脇亮介(18)。「大会屈指の右腕」と呼ばれた。

 「お前がおったら、甲子園に行けるわ」。2年前の春、監督に就いたばかりの奥本保昭(50)は、入部まもない森脇の投球を見て確信した。

 1998年夏、奥本は京都成章を甲子園で準優勝に導いた。決勝戦、エース松坂大輔を擁する横浜にノーヒットノーランで敗れた。高校野球の基本は投手と痛感した。

 その奥本にとって、桃山高時代の恩師が森脇の父・尚志(62)だった。府立工や西舞鶴で監督を歴任した父は、わが子を奥本に託した。

 森脇は福知山市の実家を離れ、南区にある塔南へ越境入学した。学校近くのアパートで一人暮らし。「甲子園への夢」を追いかけた。

 最後の夏、ベスト8を競う相手は昨夏の覇者・龍谷大平安。去年は準々決勝で対戦し、1―6で敗退。「復讐戦」となった。

 投手戦となり、均衡が続く8回裏、無死一塁。4番で主将の3年生、松田龍篤(りゅうま)(18)を打席に迎えた。身長181センチ。大会屈指の強打者は、ここまでの3試合で8打数6安打8打点。最もマークしてきた一人だった。

 2ボール1ストライクからの4球目。ストライクを取りにいったスライダーが、ど真ん中に入った。松田は見逃さず、左翼フェンス際へ。走者がかえり、決勝点となる1点がスコアボードに刻まれた。

 投げ急ぐ悪い癖が出た。

 熱戦が終わり、日差しもやわらいだグラウンド。龍谷大平安の校歌が流れる。森脇は口を真一文字に結び、悔しさを胸に閉じ込めた。

 「大舞台で投げさせてやりたかった」。悔やむ奥本。森脇は感謝した。「先生の言葉を信じ、ここまで成長できた。塔南じゃなきゃ、こんな野球はできなかった」

 さわやかな笑顔を残し、球場を立ち去った。=敬称略(竹山栄太郎)


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