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甲子園の夢、兄は託した れいめい・山平恭正捕手

2005年07月20日

 「兄ちゃんが思い切り走らなくてもいいように大きな当たりを……」

 3回の攻撃。山平恭正君(2年)の打球は中越え三塁打に。右太もも裏を痛めている三塁走者の兄・晃大君(3年)は悠々と生還。弟はベース上で拳を握りしめた。

 「2人で絶対に甲子園に行くんだ」。小学生の時からソフトボールを始めた兄弟。厳しい父親の指導で、毎日夜10時ごろまでランニングと打撃練習を繰り返した。泣き虫の弟を兄は励まし、引っ張った。

 厳しい練習にも決して弱音を吐かない兄は、弟にとってあこがれだった。高校進学時、7校から誘いがあったが、迷わず兄のいるれいめいに入学した。

 試合前夜には必ず布団を並べて寝た。「兄ちゃん、おれがかえすからあす、絶対に出ろよ」。「分かった。絶対に出るから」。2人で話していると緊張もほぐれた。

 迎えた準々決勝。兄は主将で遊撃手。弟は捕手。3回の守備で晃大君は併殺をとろうと、痛みをこらえて一塁に送球。悪送球となり鹿屋中央に勝ち越しを許した。恭正君は7回に犠飛を放って1点差と迫ったが、及ばなかった。

 最後の打席に立ったのは晃大君。遊ゴロに倒れて試合が終わった。ベースでうずくまる兄に、弟はこみ上げてくるものを必死にこらえた。

 「ありがとう」。弟の手を握り、兄は甲子園の夢を託した。


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