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大子一―水戸商 3回裏水戸商1死三塁、金子の二塁ゴロで三塁走者安部が本塁をつきセーフ。3点目。捕手木村=水戸市民 |
大子一―水戸商。両チームの監督は複雑な心境で試合に臨んだ。
大子一・大川監督と水戸商・野沢監督は93年から3年間、水戸商でともに汗を流したチームメート。95年、甲子園に出場したときは大川監督が4番、野沢監督が主将だった。
試合前、「できればやりたくなかった」と野沢監督。大川監督は「もっと勝ち進んでから当たりたかった」。2人のきずなが深い分、つぶし合うことにためらいがあった。
2人が公式戦で対戦するのはこの試合が初めて。実力でやや勝るとみられる水戸商に対し、大川監督は「競った展開に持ち込めれば」。だが、期待に反し3回で0―6と差が開いた。
それでも4回、大子一は意地を見せる。水戸商・須能の球が走っていないと感じた大川監督は「直球を狙え」と指示。打線は1死から5連続安打で3点差まで詰め寄った。
しかし、反撃はここまで。6回を終わって3―10と差はさらに開いた。
7回、大子一は無死から代打井本が左前安打で出塁した。1点取らなければこの回でコールド負けだ。だが、大川監督は木村に送りバントではなく強打を命じた。「7点差をひっくり返すには連打しかなかった」。勝負を捨ててはいなかった。
木村は二塁ゴロ併殺。大川監督の強攻策は実らなかった。
試合後、控室で2人は顔を合わせた。ライバルから親友に戻った瞬間、自然と笑みがこぼれた。ともに無失策の締まった試合。互いの健闘をたたえた後、大川監督は「おれの分まで甲子園に行ってくれ」と夢を託した。野沢監督は笑ってうなずいた。