紫紺の優勝旗が再び沖縄に渡った。9年前、沖縄県に初優勝をもたらした比嘉投手が母校・沖縄尚学の指導者になり、チームを率いて再び優勝旗を手にする。「高校野球ドラマ」のようなストーリーを完結させた。
その強さは、右本格派・東浜の存在抜きに語れない。140キロを超す球威と、手元で沈むツーシームを駆使した制球のよさ。スタミナもあり、この時期としては完成度で群を抜いていた。また、打球に素早く反応する内野陣のグラブさばきと送球の良さ、高いバント技術に積極的な走塁とバランスがとれていた。
完封試合が12。1時間台で終了したのが13試合、展開の早い試合が続いた。聖望学園の大塚や宇治山田商・平生の投球は、上体の強さを生かした力感があった。東洋大姫路の佐藤は球の切れと緩急で投球術のうまさを見せた。東浜、大塚らは、直球系で微妙に変化するツーシームやカットボールを多投した。今大会では強引に打つだけの淡泊な攻めが目立ち、「投高打低」の現象が顕著だった。
21世紀枠出場の成章、安房、華陵の3校が強豪私学と堂々と渡り合って初戦を突破。全国のチームに勇気を与えた。選抜大会特有の制度が生きた。