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現在位置:高校野球試合・結果選抜高校野球大会(1997年)> 天理―徳島商(1回戦)

1回戦

天理 5―4 徳島商

阪神甲子園球場
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
徳島商 1 0 0 1 0 1 0 1 0 4
天理 2 0 0 0 0 1 0 1 1 5

【投手】
徳島商:中山
天理:小南→長崎

 拙攻を繰り返した天理だが、9回は鮮やかな打撃でサヨナラ勝ちした。1死一塁から、長崎が、中山の初球の甘いカーブを見逃さずに右中間三塁打。一塁走者の小南が生還した。8回までは、再三の得点機を作りながら、4併殺で10残塁。バントの失敗などが目立ち、つながりを欠いた。
 徳島商も、12残塁と粗い攻めだった。守りも5失策と集中力を欠き、このため攻守にわたってリズムが乱れた。
 中軸の攻撃的な気持ちが、監督のさい配まで変え、天理のサヨナラ劇を生んだ。9回、先頭の小南が安打で出ると、中川監督は4番・東の初球に送りバントのサインを出した。これまで、クリーンアップ・トリオにはほとんどバントをさせたことがなかったが、1点をとれば勝ちという場面、確実な策に出た。
 が、東はバットを振るしぐさを見せ、「打ちたい」と意思表示。中川監督はサインを変えた。結果は三振に倒れたが、そんな東の積極性が長崎に伝わったのだろう。長崎は「中途半端な振りはせず、追い込まれる前に打つ」と、狙っていた初球のカーブをたたいた。打球は右中間を抜け、小南が一気にかえった。
 中川監督は、長打力を兼ね備え、公式戦の打率で4割を超す中軸三人に関しては、「打たせてだめなら、それで仕方ない」という考えを持っていた。9回の東の場面を振り返り、「私らしくないことをした。反省している」。選手の意思が監督を我にかえした形だ。
 長崎は、投球でも攻めの姿勢を忘れず、ピンチをしのいだ。小南を救援した6回は、緊張感から腕が縮こまっていたが、落ち着きを取り戻した7回からは毎回のピンチにも、「変化球をチョコンと当てられるのはいや。直球で押そう」。
 伸びのある直球で失点1に切り抜け、9回には自らのバットで決着をつけた。
  
●徳島商、自慢の守り乱れる
 中山の投じた146球目。打球は右中間を転々とした。二塁手利光が外野からの返球を受け、振り返ると、一塁走者は本塁間近だった。サヨナラ。遊撃手島田は二塁ベース前で両ひざをついた。中山は、思わずうずくまっていた。
 それぞれが守備に悔いを残した。「あれでチームの雰囲気を悪くした」と島田。1回、天理の先頭打者の遊ゴロだ。二塁ベース寄りの打球をはじいた。
 利光は6回だった。先頭打者のゴロを悪送球するなど、2失策。「緊張していて……」
 「そこに打たせた自分が悪い」。中山は全責任を背負い込む。
 投球の調子は悪くない。走者を出しても低めに球を集めて4併殺と、踏ん張った。が、その責任感は「何とか自分が」の気負いと焦りを呼んだ。
 1回は無死一、二塁から二塁走者をうまく引き出したが、自ら三塁に悪送球。生還を許したうえ、がら空きの三塁へのカバーを忘れて一塁走者を一気に三進させた。6回も暴投でピンチを広げていた。
 試合前、中山監督は勝負のポイントを聞かれ、「守備ですかねえ」と答えている。「(29日の)雨以来、守備がいま一つ悪かった。気抜けしたというのか」
 昨秋は1試合平均失策1個以下だった四国の王者は結局、5失策。加えて暴投1、捕逸1。島田は「考えられない。納得がいかない」と言った。

記録
  打数 安打 打点 二塁打 三塁打 本塁打 三振 四死球 犠打 残塁 失策
徳島商 33 9 4 0 3 0 6 7 3 12 5
天理 34 11 4 1 2 0 4 5 2 11 1
  徳島商 天理
併殺 4 0
暴投 1 0
ボーク 0 0
捕逸 1 0
打妨 0 0

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