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久留米商―戸畑商 8回裏戸畑商1死二塁、田中は投手新谷の頭を越える中前安打を放つ。捕手中村祐、二塁走者仲野(10)=小郡 |
5回裏2死一、二塁。1点を勝ち越された久留米商の3年生左腕、新谷武士君がマウンドへ。交代を告げられた3年生の野田憲一郎君は左翼の守備に向かいながら、新谷君に声をかけた。「お前ならできる」
新谷君は「分かった」とだけ答えた。1年生から同じ左腕として競い合ってきた仲。気持ちは通じ合っている。
野田君は気が強いが、軟投派。新谷君は気は優しいが、直球に威力がある。正反対の2人だが、ウマは合った。冬場は2人で走り込んだ。お互いがライバルであり、仲間だった。
投手として一歩先を行く野田君を、新谷君がいつも追いかけた。新谷君が成長し、今大会は2人の継投で勝ち進んできたが、この日で途切れた。
試合後、涙を流す新谷君に野田君が声をかけた。「ナイスピッチング」。そう言うと、野田君も自然に泣けてきた。