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三池工―博多工 一塁上でボールの行方を追う相浦君=春日公園 |
ミサンガ。何本かのひもを編んだリングで、手首や足首に巻く。「自然に切れたら願いがかなう」と言われている。
三池工3年の相浦拓朗主将は大会開幕の1週間前、29本のミサンガを買った。1本52円。「頑張っていこう」。開幕の3日前、ただ、そう言って、3年生全員に配った。「甲子園」という夢がかなうことを信じて。
相浦君は昨夏の大会直後に主将になった。チームには個性の強い選手が多く、しばしば意見が対立。バラバラに見えた。相浦君は「団結できる方法はないか」と、ずっと考えていた。
相浦君は口べた。人前で、思ったことがなかなか言えない。そこで、共通の「もの」を身につけて「一体感を持とう」と最後の大会を前に思い立った。
1、2回戦。ピンチで不安になると相浦君は左手のミサンガを見た。「みんなから勇気がもらえている気がした」。自然と心が落ち着いた。
18日はシード校の博多工と対戦。序盤から5点をリードされ、5、7回には無死満塁の危機が2度あった。だが、ミサンガを見る必要はなかった。「リードされていたこともあってか、逆にふっきれた感じだった。みんな楽しそうだったし」。遊撃手の相浦君はピンチでも笑顔を見せて、仲間にエールを送った。
29人の夢はやぶれた。仲間には、この後も、ミサンガを巻き続けて欲しいと思う。「別々の夢に向かっても、『いつも、みんなが応援している』と感じて欲しい」。涙をこらえて、つぶやいた。