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力投した飯塚の小松投手 |
8回裏、飯塚は希望が丘に2―2の同点に追いつかれ、なお2死三塁とピンチが続いていた。飯塚3年のエース、小松亮太君は外角を狙って直球を思い切り投げた。
「しまった。高めに浮いた」。そう思った瞬間、打球は中堅手の頭を越えていた。三塁走者が生還し、逆転された。
小松君は、希望が丘に絶対に負けたくない理由があった。昨夏の大会では1回戦の相手が希望が丘。8―9で惜敗した。小松君は右手のけがで、登板することが出来なかった。
その後、けがは回復。今年4月、九州地区大会で選抜準優勝の神村学園(鹿児島)戦に登板し、3―2で完投勝利。チームの頼れる柱となった。
だが、心の中には昨夏の希望が丘戦の敗北がひっかかったままだった。「あのときの悔しさを晴らしたい」。この日は昨夏の雪辱戦でもあった。
小松君は直球に変化球を織り交ぜた丁寧な投球で5回まで相手打線を0点に抑えていた。だが、投球回数が進んでも力みがなかなか取れない。時々、球が高めに浮いた。
9回表。飯塚の攻撃中、小松君は体を慣らすためベンチの近くでキャッチボールをしながら攻撃を見守った。「とにかく打ってくれ」。願いは届かなかった。
試合後、飯塚の吉田幸彦監督は「本当によく頑張った。後輩たちは県内トップクラスの実力を受け継いでくれるだろう」と3年生をねぎらった。小松君は「後輩たちには甲子園に必ず行ってほしい」と話すと、唇をかみしめた。