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ここから本文エリア 現在位置:高校野球>コラム>井上明 高校野球歳時記> 記事 練習試合が解禁2008年03月13日 球春到来――。今月8日から待ちに待った練習試合が解禁され、選抜大会に出場する36校は一斉に、全国各地で本番に向けた腕試しを始めた。 例年に比べて雪が多かった今冬、各校とも練習のやり繰りに頭を悩ませてきた。北海道の駒大岩見沢は解禁後、中旬にかけて関東から近畿へ移動。東北(宮城)も大阪、和歌山などで近畿の強豪と一戦を交える。寒冷地のチームは早めに西へ移動するのに対し、横浜(神奈川)、常葉菊川(静岡)などは、序盤は自校のグラウンドや地元球場でじっくり腰を落ち着けて、試合の勘を取り戻すことにしている。温暖な地で調整が進む沖縄尚学は、キャンプや練習試合相手を求めて沖縄を訪れているチームと手合わせ。その後、関西に北上して本土の寒さに体を慣らす。同校を率いる比嘉監督は99年の第71回選抜大会優勝時のエースとあって体調管理は心得ている。 滋賀県勢として初めて3年連続出場の北大津。大会に向けたオフシーズンの練習法に関して慣れているものの、今季は悩まされた。雪が降った後、乾く間もなくグラウンドが使えない状態が続き、2月などフリー打撃やノックができたのは数回しかなかった。宮崎監督は「打撃は何とかなるが、守備練習が予定より不足気味かな」と振り返る。解禁となった8日は、兵庫の強豪・神戸国際大付と第1戦を行い、黒星スタート。とはいえ、エース・河合が降板した後、救援陣が失点したもの。「河合は去年に比べ安定してきた」と納得の一方で、控えの投手、野手陣には「持ち味というか各自の特徴が出ていない」と物足りなさが残ったよう。 鳥取県勢として12年ぶり出場の八頭も室内での練習が多かった。ベテランの徳永監督は夏の選手権大会には5度出場の経験があるが、春は初めてとあって手探りの感は否めない。「夏は勢いで一気に本大会に臨めるが、選抜は秋から時間がありすぎる。雪が降るとグラウンドが使えず予定通りいかない」と調整の難しさを痛感したよう。育英(兵庫)戦では、大黒柱の平木が余裕を持って完投するなど、スタミナの心配はなくほっとした表情を浮かべた。甲子園の地元・兵庫の東洋大姫路は冬場に基礎体力アップを目標に入念に走り込んできた。今月初めには泊まり込みの合宿で猛練習をこなすなど、開幕に向けて調整が進む。大会屈指の右腕・佐藤は3カ月余ぶりの実戦とあって昨秋ほどの球の切れはないが、徐々に投球感覚を取り戻しつつある。 練習試合の解禁から2週間で開幕。その間に抽選会や甲子園練習、地元の壮行会、リハーサルなど催しがあり、なかなか落ち着かない。また、季節の変わり目で体調維持が難しく、試合当日にいかにベストの状態に持っていけるかが勝負の分かれ目だ。 井上明(いのうえ・あきら)1951年、松山市生まれ。朝日新聞大阪本社スポーツグループ記者。松山商(愛媛)のエースとして、69年夏の第51回全国選手権大会決勝で三沢(青森)の太田幸司投手と延長18回をともに無失点で投げ合った。翌日の再試合で優勝。明治大でも投手、主将として活躍した。75年に朝日新聞入社。主として高校野球をはじめとしたスポーツ取材に携わる。 |