|
ここから本文エリア 「夏、絶対に優勝する」 常葉菊川・1番打者中川選手2008年03月30日 一塁をまわったところで、鋭く伸びた打球が中堅手のグラブに吸い込まれて行くのを見届けた。「終わったんだなぁ」。中川雅也右翼手(3年)は心の中でつぶやくと、ヘルメットを脱いで整列に加わった。
1回、エース戸狩投手がまさかの3失点。本塁打を含む5安打の猛攻をあびた直後の攻撃で、先頭打者として打席に入った。「大事な場面」だった。 試合前日に斎藤投手の投球をビデオで研究していた。球は速いけど、外角の直球が多い。「初球はこの球で来るはず」 ところが初球は内角のフォーク。立て続けに内角に変化球を投げられて追い込まれ、3球目の外角の直球に手が出なかった。3球三振。「あそこで1番打者が出なきゃいけなかった」と悔やんだ。 1回の攻撃を3者連続の見逃し三振で終え、重い空気が漂うベンチで明るく振る舞った。笑いながら佐野心部長や記録員に話しかけたが、何を話したか覚えていない。「とにかく暗い雰囲気を変えようと思った」。7回に中前適時打で反撃の口火を切るが、6点差を許した千葉経大付の背中はあまりに遠かった。 2年生ながら昨年の選抜大会でレギュラーに。決勝で本塁打を放ち、優勝に貢献した。その中川君が「野球をやめようと思うほど落ち込んだ」のが昨年夏の甲子園だった。13打席無安打。甲子園を後にしながら「自分のせいで負けた」と涙を流した。 新チームで1番を任され、冬に打撃フォームを改造した。「長打しか狙わない」1番打者。常葉菊川野球の象徴でもある強力打線の看板を背負っているとの自負もある。 「絶対に夏戻ってきて優勝する」。試合後、中川君はそう言い切った。 |