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ここから本文エリア 「取り返せる」声かけ続け 華陵・三塁コーチの弘田主将2008年03月31日 同点にされた直後の2回裏2死二塁。ベンチから伝令に走り、仲間を激励した。失点には四球とボークが絡んでいた。エースの宇野賢士君(3年)には「お前は今、試されているんだ」と励ました。
身長158センチ。小柄な選手が多いチームの中でもひときわ小さい。三塁コーチを務める。プレーでチームを引っ張れないからこそ、試合中は誰よりも集中し、にらみつけるような目線で選手やボールの動きをつぶさに追う。 この日もいち早く異変に気づいた。守備に入る前、必ず内外野に声をかける捕手の森川宇久君(2年)が声を出していなかった。全体が冷静さを欠いていると思った。先制はしたが「しっかりしめていけ」。全員に声をかけた。 試合は徐々に点差を開けられた。それでも声を出し続けた。「まだ取り返せるぞ」。9回表の攻撃。2死から代打の重政祥太君(3年)が死球で出塁した。大浪定之監督(48)から代走に呼ばれ、定位置の三塁コーチスボックスから全速力で一塁に向かった。「何とか打ってくれ」と願ったが、次打者は三振に終わった。 抽選会前日、36校の主将が大阪市に集まり、宿舎は4人部屋だった。他の3人は強豪校。自己紹介すると「あ、21世紀枠の」という言葉が戻ってきた。「有名選手がいなくても、強豪校に勝てることを証明したい」と強く思った。 思いの通り、甲子園で1勝した。強豪校は雲の上の存在ではなかった。天理戦の後、甲子園について「心から野球を楽しめる場所だった」と話した。表情は厳しいままだった。夏が終わるまで気を緩めるつもりはない。 |