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聖望、夏へ決意 エース大塚「まだまだ力が足りなかった」

2008年04月05日

 エースの異変に気づいていた。聖望学園の捕手・原茂は試合前、岡本監督に告げる。「ダメかも、しれません」。大塚の腕の振りが鈍い。小学1年から11年間もバッテリーを組んできた仲だ。調子の良しあしは誰よりも分かる。

写真8回、再びマウンドに立ち、胸に手をやる聖望学園の投手大塚

 1球目。「力が入らない」。大塚自身も、前日との違いを感じていた。3球目。得意の低めへのカットボールを見極められる。追い込んでからのサインはフォーク。今大会はほとんど投げていないが、「カットが研究されていると思った」と原茂。

 しかし、すでに落ちた握力では操れない。122キロは変化せず、高く入る。右中間を破られた。定まらない制球。低めを狙えばワンバウンドになり、胸元を突こうとすれば顔近くにいってしまう。2回でマウンドを譲った。

 準決勝までに476球を投げた。もちろん疲れている。支えたのは、背番号1の責任感。昨夏の埼玉大会は初戦で敗れた。「情けなくて」。走り込みの量を増やし、秋には縦に鋭く変化するカットボールを覚え、三振を量産した。幼いとき、原茂と約束した「甲子園」に行きたかった。

 「まだまだ僕の力が足りなかったということ」。再登板した8回、無失点で意地を見せた大塚は、閉会式で大会歌を歌った。「サビしか知らないんですけど」。仲間たちの笑みを誘う。1人で投げきれなかった悔しさ、夏への決意。何もかも詰め込んだ大きな声で、歌った。(山下弘展)


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