ここから本文エリア

現在位置:高校野球>コラム>球児を追って> 記事

タイトル

おかんに恩返し 甲子園で雄姿

2008年04月04日

 阪神甲子園球場で開かれている第80回記念選抜高校野球大会の準決勝で、東洋大姫路は3日、沖縄尚学に逆転を許し2―4で敗れた。

 7回表無死三塁。得意の直球が外角に来ると、福田翔(3年)は思い切りバットを振り抜いた。今大会一番の当たりがライト前へ。1回に先制してからなかなか奪えなかった2点目をもぎ取ると、福田は塁上でガッツポーズをしてみせた。

 大阪府阪南市出身。高知・明徳義塾中時代、軟式野球部で日本一になった。だが、05年夏に明徳義塾高校が不祥事で甲子園出場を辞退したのをきっかけに、進学先を東洋大姫路に変えた。仕事を抱えながら自分を支えてくれている母親の京子さん(45)に「甲子園でいいところを見せたかった」からだ。

 大会直前、京子さんから「楽しんでおいで」とのメールを携帯電話で受けた。「任せとけ。ありがとうな、おかん」とメールを返した。

 この日の第1打席で大会初安打。「次は打点を挙げたい」と気持ちを奮い立たせ、7回の殊勲打につなげた。 2点を追う9回表2死一塁。思い切りよく振ったバットが空を切り、試合は終わった。空振りの勢いでつんのめりそうになりながら、福田は足を踏ん張ってマウンドへ向けた体を動かさなかった。「この負けが、夏に帰ってくるきっかけになればいい。簡単に勝つより、そのほうが絶対強くなる」

 スタンドで応援していた京子さんは「一生残る思い出になった。本当にありがとうと言いたい」。


ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る