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「チームワーク負けない」 中高一貫、6年目の夏 愛媛・松山西

2008年07月05日

 体操服姿のあどけない中学生がノックを受ける。その後方では、練習用ユニホームに身を包んだ高校生が準備運動に取り組んでいた。体つき、技術、そしてボール。すべて異なる二つの野球部が、同じグラウンドで白球を追う。

 愛媛県立松山西中等教育学校。中学生にあたる1〜3年生、高校生にあたる4〜6年生の計約950人が6年間、同じ校舎で学ぶ。全国に35校(08年4月現在)ある「中等教育学校」の一つだ。

 体操服で練習するのは1〜3年の軟式野球部員、ユニホーム姿は4〜6年の硬式野球部員。中学の部活動は一般的に軟式のため、使用球が異なる。そのため練習場所は同じでも、時間帯をずらす。しかし、一緒にいる効果は決して小さくない。

 軟式部の武田昌己(まさき)主将は入部してすぐ、硬式部の練習風景に驚いた。「プレーのすべてが高いレベル。目標にしようと思った」。松山市内から船で約1時間半かかる離島の出身。小学時代にソフトボール部が部員不足で廃部になったこともあり、「中学で絶対に野球をやると決めていた」。バットの振り方、配球の読み方などを硬式部の先輩から教えてもらえるのがうれしい。

 それぞれの監督も可能な限り両方の練習に顔を出し、アドバイスを送るようにしている。6年間という長いスパンで、体力づくりや指導を受けられるのも魅力だ。

 硬式ボールに早く触れられるという利点もある。日本高校野球連盟は中等教育学校や中高一貫校について、中学3年夏の大会終了後であれば3年生が高校の練習に参加することを認めている。武田も早ければ夏休み中から硬式の練習に加われる。「スムーズに高校野球に入っていける」と軟式部の灘野達人監督(42)。今年は軟式14人のうち12人が硬式に進んだ。

 ただ、そうした効果が劇的な変化に結びつかない難しさも。硬式部の池内一司監督(54)は「もっといい指導方法がないか、という悩みは尽きない」。一昨年、昨年夏とも愛媛大会1回戦で敗れた。

 そして、1期生(6年生)がついに最後の夏を迎える。「チームワークではどこにも負けない」と西山聡主将。同じ学舎(まなびや)で培った絆(きずな)と経験を武器に、夏の大会初勝利を目指す。(清水寿之)



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