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敬愛学園戦、ベンチの前で円陣を組む茂原農の選手たち=青葉の森 |
負ければ終わり。トーナメントでは当たり前のことが、この夏の茂原農には特別の意味を持っていた。1897年の創立で、その後間もなく野球部もできた伝統校は、来年春に茂原工との統合が決まっている。今年が「茂原農」のユニホームで戦う最後の夏だった。
3回戦の敬愛学園戦。エース中村純選手と主将で捕手の小林淳選手は徹底した内角攻めを決めていた。
試合前日、2人は4月に同校から異動した前監督、鵜沢守さん(49)から「インコースを突いて丁寧に投げろ」「思い切ったリードをしろ」というメールをもらった。3月まで10年以上、同校の監督を務めた恩師からのアドバイスだった。
同点に追いついたあとの5回の守り。1死三塁のピンチで相手の6番高山直樹選手を迎えた。最初の打席は内角攻めで三振を奪っていた。「今度は外の球を狙う」と決めていた高山君に、中村君が投じたのはほぼ真ん中の直球で、中越えの2点本塁打を浴びた。
だが、2回戦で、9回に小林君が逆転満塁本塁打を放った粘りはこの試合にも生きていた。7回には、1死二塁から中村君の二塁打で1点差。2死後、久我翔太選手の三塁打で再び同点に持ち込んだ。
結局8回に、中村君の後を継いだ投手が決定的な4点を奪われた。
約1世紀の歴史の最後を飾った試合は3時間3分。この日も校歌を歌おうとスタンドには卒業生や鵜沢前監督が詰めかけたが、願いはかなわなかった。
しかし、小林君は胸を張った。「ここまでやれるとは思っていなかった。伝統に恥じない試合が出来たと思う」