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第93回全国高校野球選手権大会

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〈愛媛:野球は「背中で」するもの 松山商〉筋トレの鬼「強豪に戻す」

2011年7月10日16時8分

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写真:鏡の前でフォームを確認する安藤健太郎君=松山市旭町拡大鏡の前でフォームを確認する安藤健太郎君=松山市旭町

 「1、2、3、ウォー」

 松山商のトレーニング室からは毎日、筋力トレーニングに励む3年の安藤健太郎君の声が聞こえてくる。試合のある日以外はトレーニング室にこもり、グラウンドでの練習の合間を使って、バーベルを使ったスクワットやベンチプレスなどに取り組む。

 チーム一の怪力でもある安藤君が、意識して鍛えるのは「背中」だ。といっても背筋ばかりを鍛えるわけではない。胸、背中、脚、肩、腕。20〜30秒間隔で鍛える部分を交代する。スピードも意識する。腕を動かしてもその反動を受け止めるのは背中。実はどの部分を鍛えてもほとんどのメニューで、筋肉の動きは背中が受け止めている。

 トレーナーとして松山商を支える兵頭康一さん(56)は「野球に使う筋肉は打つ、投げるなど背中に集まっている。強いチームほど背中が大きい」と話す。

 松山商は夏の選手権大会に26回出場し、優勝5回、準優勝3回を誇る。しかし、甲子園出場は2001年の夏を最後に遠ざかっている。安藤君が入学した前年(08年)は、愛媛大会初戦敗退。安藤君は「伝統ある松山商は幼い頃からの憧れのチーム。自分がもう一度強くしたい」と話す。

 出来ることは何でもやってきた。練習時間以外には、テニスボールを握り込み、握力を鍛えた。

 冬場、学校で筋トレだけでも3時間。さらに帰宅後も、自分の部屋で腹筋や股関節を動かす縫工筋を100回以上繰り返した。

 「スイングスピードやぶれない軸。爆発力を生むのは背中や」。兵頭さんの言葉を信じた。

 昨冬から今春にかけては、自分でも分かるほど、背中が大きくなり、からだつきが変わっていった。帰り道ですれ違う中学の同級生に、「誰?」と気づかれなかったほどだ。全国約300校の野球部が競い合う野球器具メーカーのランキングで、安藤君ら3年生部員の総合筋力は平均値で1位になった。安藤君は打席に立ってタイミングを外されても左手一本で安打にできる。168センチながらチームでトップの本塁打数を誇る。

 松山商の試合にはネット裏に熱狂的なファンが陣取ることも多い。ストライクを見逃すと「今の打たんで、何打つんや」とプレッシャーがかかる。「そうした声も、背中で受け止め、結果で出す。期待に応えてこそ、松山商の選手」と安藤君は思っている。

 今春には初めて4番に座った。6月末からは、調子を落とし、打順は下位に落ちたが、松山商のプレッシャーを背負えることが少し誇らしい。

 「今夏、自分の力で憧れの松山商を古豪から強豪に戻してやる」と意気込む。

 そのために、自分の判断を信じて迷わない、一瞬も手を抜かない、と決めている。

 そして、その背中を後輩に残したいと思っている。

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スクワット
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