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打ちも打ったり18安打、九学が初戦突破 県勢4年ぶり

2010年08月08日

 全員安打、全員得点で初戦を突破――。7日、熊本代表の九州学院は第92回全国高校野球選手権大会開幕試合で松本工(長野)と対戦し、計18安打の猛攻を見せ、14―1で快勝した。県勢の夏の初戦突破は2006年の熊本工以来。勢いに乗ったチームは、第7日(13日)に山形中央と対戦する。

写真九州学院―松本工 4回表九州学院無死一、三塁、富高は左中間に2点適時二塁打を放つ。捕手大熊=飯塚晋一撮影
写真入場行進する九州学院の選手たち=阪神甲子園球場

 ◎…「最高の場面を楽しもう」。待ちに待った舞台は開幕戦。「追い込まれたら苦戦する。積極的に」という指示通り、初回先頭の井が初球から果敢に攻めた。遊ゴロに倒れはしたが「チームにいい影響を与えた」(坂井監督)。続く溝脇、山下、萩原が3連続安打で満塁の好機をつくると、富高が走者一掃の適時二塁打を放ち先制した。

 さらに2回、渡辺の三塁打を皮切りに3点追加。3回には犠打で走者を進め、下田の適時打などで2点。4回には長短打5本を集めて4点を奪い、12―0と試合を決めた。

 ◎…開幕戦の観衆は3万9千人。「人が多い方が、いい投球ができる」というエース渡辺は、相手打線を4回まで三者凡退に抑え、5回2死まで相手に一塁を踏ませなかった。「サイン通りの直球がきていた」と捕手の坂井。制球のきいた直球を主体に、得意のスライダーを織り交ぜた。

 しかし、5回、高めに浮いた直球を中堅にはじき返され、初めて出塁を許した。

 「ノーヒットでプレッシャーを受けるより、(安打が)1本出て安心した」と坂井監督。6回には1点を失ったが、渡辺は集中力を切らさず、その後は無失点に抑えた。

 ◎…九州学院の打線は松本工の投手陣に計18安打を浴びせ、先発した9人がいずれも安打を放ち、しかも全員が本塁に生還した。全員安打は89回大会以来、全員得点は84回大会以来の快挙。

 「正直打ちすぎ」と坂井監督。2回戦の相手は、この春の選抜大会に出場し、左腕エースを擁する山形中央。富高は「もともと苦手だったので、左を打つ練習は特にしてきた」と自信をのぞかせた。

    ◇

■3年生全員の思い込め、好機に適時打

 初回1死満塁。溝脇、山下、萩原と1、2年生が連続安打でつないでくれた。「3年の自分が活躍しないと」。右打席に入ると緊張したが、3球目、高めの直球に自然とバットが出た。右手で押し込むと、打球は左中間へ。夢中で走り、二塁上でガッツポーズした。「ほっとした」。試合後、笑顔で振り返った。

 甲子園で先発した3年生は4人だけ。坂井監督は上級生という理由だけで選手は起用しない。それでも監督は「1人も出場しなくても、このチームは3年生のチーム」と言い切る。日ごろは上下に関係なく、冗談を言い合うような仲。だが、いざという時に3年生が引っ張ってこそ、1、2年生はついてきてくれると富高は思っていた。

 この日、体調は万全じゃなかった。2日前の練習中、暑さで突然倒れ、救急車で運ばれた。医師は大丈夫と診断したが、念のため6日の開会式リハーサルは欠席。焦りはなかったが、試合の朝になっても下半身にだるさが残った。

 「だけど、それを言い訳にはできない」。下級生が活躍する一方、レギュラーから外れ、ベンチ入りできない3年生もいる。悔しさを隠し、みんな一緒にやってきた。中学時代、試合中のベンチの雰囲気の良さにあこがれて九州学院を選んだ。甲子園での初戦でも、控えの3年生がベンチでうちわであおいでくれた。マネジャーの清田は「1試合でも多くスコアを書かせてくれ」と言ってくれた。スタンドからは声援が聞こえた。

 あこがれの舞台で、みんなでつなぎ14点を奪った。仲間のためにも欲しかった勝利。「仲間が喜んでくれている姿が、うれしかったです」。そう話し、また笑顔を見せた。

    ◇

■全員そろい力強く行進

 午前9時から始まった開会式で、九州学院は前川和彦主将を先頭に3人ずつ列になって6番目に入場。甲子園の土を力強く踏みしめていた。体調不良で6日のリハーサルを欠席した富高央崇選手は「(炎天下の中で立っているのは)ちょっと心配だったけど、乗り切れた」。閉会後にベンチに戻った選手らは、開幕試合に備えてノック練習などに打ち込んだ。(塩入彩)


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