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埼玉ニュース

聖望9回裏に粘り 序盤乱れ初戦無念

2009年08月14日

 第91回全国高校野球選手権大会で、埼玉代表の聖望学園は13日、宮崎代表の都城商に1―5で敗れ、初戦で姿を消した。序盤で5点を奪われる苦しい展開となったが、4回以降は無失点に抑え、9回には適時打で1点を返した。埼玉大会を接戦で勝ち上がってきた粘り強さを、最後に見せた。

写真都城商―聖望学園 9回裏聖望学園2死二塁、西村は右前に適時打を放つ=小玉重隆撮影

    ◇ 

 聖望学園は、初回の失点が重くのしかかり、終盤まで流れを引き寄せられなかった。足を絡めた得意の攻撃を見せたのは9回で、最後に一矢報いた。

 先発佐藤は1回、制球が定まらず、2四死球などで2死一、三塁とされ、右前適時打で先制を許した。さらに満塁とされ、右中間へ走者一掃の3点適時打を浴び、主導権を握られた。それでも、中盤からは立ち直り、内外角を丁寧につく投球で要所を抑えた。信田、永田と継投し、4回以降は追加点を許さなかった。

 打線は、都城商の先発新西の140キロ超の速球と変化球に苦しんだ。3回、先頭の山崎力がチーム初安打を放ち、河合の犠打で1死二塁の好機をつくったが、生かせなかった。4、6回にも走者を二塁まで進めたが、走塁ミスなどで好機をつぶした。8回まで2安打で、盗塁もできず、三塁も踏めなかった。

 9回、1死から子安が左前安打で出塁し、二盗を成功させた。2死から西村が右前適時打を放ち、1点を返して粘った。盗塁などで相手を揺さぶる攻撃を、ようやく披露することができた。

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 5点差を追う9回裏2死二塁。聖望学園の5番打者西村凌(3年)が打席に入った。

 「最後の打者にはならない。勝つためにつなぐ」

 内角直球を、詰まりながらも右方向へはじき返した。打球は、ふらふらと上がった。

 「落ちてくれ――」。願いながら走ると、右翼手の手前にポトリと落ちる適時打に。主将の子安史浩(同)が生還し、1点をもぎ取った。

 遊撃手としても、好守を見せた。2回表、右中間へ抜けた打球の処理を中継し、本塁へ送球。ランニング本塁打を防いだ。

 野球を始めたのは小学2年生の時。甲子園で勝つことが夢だった。母子家庭で、家計に負担をかけまいとして、どのように野球を続けていくか迷ったこともあった。それでも、母親から「自分の思ったことをやりなさい」と背中を押され、頑張って来られた。その母がスタンドから見守る前で、何としても勝ちたかった。

 夢の舞台は、土の感触を味わう余裕もなく、落ち着いたプレーはできなかった。「負けたけど、みんなと野球ができて楽しかった」と涙をにじませた。=敬称略

(上田雅文)


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