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大阪ニュース

PL本領 好機に長打で初戦突破

2009年08月16日

 雨で順延続きとなり、待ちに待った夢舞台。満員の甲子園球場で、選手たちは気おされることなく次々と快音を響かせた。第91回全国高校野球選手権大会は15日、PL学園が聖光学院(福島)を6―3で下し、初戦を突破した。初回に先制を許したがすぐに逆転、その後いったん追いつかれたが、再び持ち前の長打で勝ち越した。次戦は第10日に県岐阜商(岐阜)とベスト8をかけて対戦する。

写真聖光学院―PL学園 6回裏PL学園2死二塁、受川は右越えに適時三塁打を放つ。投手横山、捕手竹沢=矢木隆晴撮影

■「目覚めた」5番、逆転打

 立ち上がり、先発の井上大樹君(3年)のカーブが狙われ、この夏初めての先制点を許すいやなスタート。そして1回裏の攻撃。2死一、三塁の好機で、5番大槻和史君(3年)に打順が回ってきた。「絶対、打たなきゃ」

 大槻君は、不振にあえいでいた。

 チームでは誰もが認める「まじめなやつ」。いつも人より遅くまで自主練をこなし、春は府大会で4本塁打と絶好調。だが夏本番を迎え、フォームが崩れてきた。「中軸の役割を果たさないと」と気負えば気負うほど、形がばらばらになった。大阪大会の調子は「最悪」。打率2割4分は、スタメンで下から3番目だった。

 「今日は打ってくれるか」「そろそろ目覚めたか」。河野有道監督から毎日のようにプレッシャーをかけられる。「まじめなあの子なら、自分で打開できる」と期待を込めてのことだったが、本人には負担だった。

 「ここで落ち込んだら、それこそチームに悪影響を与える」。自分にできることは、やっぱり練習しかない。甲子園入りしてからも夕食後、深夜まで後輩を付き合わせて打撃練習に励んだ。

 そして初戦の初打席。ふしぎに気持ちは落ち着いていた。「ここまでやって打てなかったら仕方ない」

 2球目。抜け気味のチェンジアップ。振り切った瞬間、「越える」と直感した。走者一掃の逆転三塁打。満員のスタンドは一斉にわきかえり、みんな「行けるぞ」と盛り上がった。ベンチに帰ると、河野監督は「やっと打ったか」。「ほっとしました」

 ここからは、ピンチになるとすかさず得点するPL野球。3―3の同点に追いつかれた6回裏、村田穏行君(3年)の右中間安打などで2死一、三塁の場面で、6番中井都雄(くにお)君(3年)は「何も考えず、来た球を打ち返せ」という監督の指示どおり、5球目を素直に左中間にはじき返した。「センターフライかな」と思った当たりはぐんぐん伸び、適時二塁打で2点を勝ち越した。さらに受川祐太君(3年)の適時三塁打で3点目。試合を決めた。

 7回から登板した難波清秀君(2年)は、気合を全身にみなぎらせていた。中学時代に所属していた「甲子園シニア」のチームメートが鳥取城北の左翼手として出場したものの、14日の札幌第一戦で打球を追いかけフェンスに激突してかかとを骨折。鳥取城北は敗れ、「絶対対戦しような」との約束はかなわなかった。14日夜、そのチームメートから「絶対に勝て」とメール。「あいつが身体を張ったなら、おれも」。7〜9回を三者凡退に抑えた。

 難波君は試合前、ひじの不調でエースを外れた中野隆之君(3年)から「甲子園は自分の力以上のものが出る、自分を強くしてくれる」とアドバイスを受けた。「大観衆の中で、いつも以上に思い切りできました。少しでもこのメンバーで野球を楽しみたい」(机美鈴、染田屋竜太)


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