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ここから本文エリア 和歌山ニュース 一球の大切さ学んだ 日高中津・木本幸広投手2007年07月27日 ストライクが入らない。日高中津の木本幸広はマウンドで苦しそうな表情を浮かべた。
4回、南部の攻撃。先頭の山崎哲平、続く松浦隆幸と連続の四球で無死一、二塁。マウンドに選手たちが集まった。「ストライク取って冷静になれ」。伝令が監督・細峪規良の言葉を伝えた。主将で二塁手の吉田太輔も「低めでストライクを取って、1個ずつアウトを取っていこう」。三塁手の片山貴大は笑顔で励ました。「落ち着いて、打たせていけ」 1死後、また四球。スクイズが野選となり1点取られる。岡本亮には真ん中のカーブを右翼へはじき返され、続く狩谷友哉にはスライダーを右翼線へ運ばれ二塁打に。「ストライクで抑えに行こうと思えば思うほど、逆にダメだった」。木本はぼうぜんと立ちつくした。 6点を失い、95球を投げたところで、マウンドを中原里に譲った。「全部投げようと思っていたから、ただ悔しかった」 木本の投球をずっと受けてきた捕手の安里和真は気づいていた。「疲れている。球が上ずっていた」 木本は今大会、4度目のマウンドだった。救援した初戦の日高戦は5回投げて3安打1失点。今春の選抜大会に出場した優勝候補の県和歌山商を1失点に抑え完投した。伊都戦では県内屈指の左腕・福田翔亮と延長13回を投げ合った。「かなり自信がついた」 次々と強力打線を抑え込んできたが、木本は本来は左翼手。公式戦で投げるのは、今大会が初めてだった。エースがけがをした。その代役に監督の細峪が指名したのは木本だった。「コントロールがよく、自分でゲームがつくれる」 この日の朝、寮で細峪に呼び止められた。「きょう、先発行くから」。勝てばベスト4だ。いつもより気合が入っていた。「絶対抑えてやる」。だが、疲労はピークに達していた。ちょっと肩が重い……。 今大会、木本は4試合で501球を全力で投げきった。試合後、「『一球の大切さ』を学びました」と唇をかみしめた。そして「今まで抑えられたのは、かなりの自信になった。でも、もうこんな情けない試合はしたくない。来年はきっちりいい試合がしたいです」。木本は2年生。来年に向けて闘志を見せた。 |