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ここから本文エリア 和歌山ニュース 仲間を信じ、真っ向勝負 伊都・福田翔亮選手2007年07月24日 13回表、スコアボードに「1」が点灯した。それまで両チームとも全部0。伊都・福田翔亮と日高中津・木本幸広。息詰まる投手戦だった。
福田はこの回、1死一、三塁から安里和真の放った犠飛で1点を失った。マウンドに選手が集まった。「前向いてしっかり投げろ。みんな後ろで守ってるから」。少年野球から一緒だった親友で三塁手の名倉潤が言った。安心した。打席には投げ合った木本。自分の思いを込めて投げた。外野フライに打ち取った。 福田は今大会、県内屈指の左腕として注目されてきた。最速147キロの直球と切れのあるスライダー。雑誌などにも紹介され、プレッシャーと期待の両方を感じていた。それでも黙々と練習に打ち込んだ。毎日約8キロ走り込んだ。筋力トレーニングで上半身も鍛えた。「最後の夏、最高の仲間と一緒に勝ちたい」という一心だった。 「真っ向勝負でいこう」。福田はこの日、去年の夏からバッテリーを組んできた神保侑弥と誓った。その気持ちで攻めた。「強気でいったら変化球も切れてきた」。13回193球を投げ、打たれた安打はわずか6本、15三振を奪った。 福田の強気な姿勢を支えたのはチームメートたちだった。6回1死一、二塁のピンチ。選手たちがマウンドの福田のもとへ駆け寄る。「楽しく、今までやってきたこと出すだけだから」と神保。一塁手の松本龍次郎は「打たせてこい。絶対守ってやる」。福田に笑顔が戻った。2つのアウトを空振り三振で取った。 試合は日高中津に惜敗した。でも福田は言い切った。「100%の力が出せた。悔いはありません。バッターのレベルが高かった」 福田は帽子のつばの裏いっぱいに「真っ向勝負」と書いた。大会前、何も書かれていない帽子の裏を見ながら、「試合前に、自分のこととチームのこと、2つの思いを書きたい」と話していた。「みんなで心を一つにしていこら」と、自分もチームも真っ向勝負するとの思いを込めた。「いい仲間と出会えてよかった。心一つに楽しく野球ができました」。試合後、満面の笑顔で話す福田の目に、涙が光っていた。 |