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和歌山ニュース

強気でチーム牽引 海南・岩森捕手

2007年07月19日

 2回裏2死二塁。「来る」。海南の捕手・岩森章仁は自分に言い聞かせて構えた。伊都の荒関秀也の内野ゴロが安打となる間、二塁走者が三塁を回り、本塁へ走り込んでくる姿が見えたからだ。

写真海南・岩森章仁捕手

 伊都のエース福田翔亮は、大会ナンバー1の左腕。伊都を倒すには、先に1点もやれない。

 「絶対ボール離さんぞ」。ボールをつかんだまま、岩森は体を張って走者を止め、本塁を守りきった。「ナイスプレー」。チームメートとグラブをたたき合いながら喜んだ。「あれでチームが一つになって、勢いづいた」と岩森は振り返る。

 その勢いは4回の攻撃に現れた。先頭の柏木修が左前安打。続く打席は岩森だ。「チャンスだ。しっかり送ろう」。バントはしっかり練習した。狙った2球目、きっちり転がして走者を進めた。「頼むぞ」。打者が入るたびに、ベンチから大きな声を張り上げた。樫尾龍介の一撃は左翼手の頭を越え、まず1点。続く山中拓真もヒットを放って2点目。「みんなが一つになって強気で攻めた」

 昨夏に岩森は主将になってから、チームをまとめることが出来ず悩んだ。「なかなかついてきてくれず、つらかった」。悪いところをお互いに厳しく言い合った。とっくみ合い寸前になることもあった。監督の森本直寿にも言われた。「ネガティブ思考だぞ」

 「信頼してもらえる主将になりたい」。岩森は自分から人一倍大きな声を出し、雰囲気づくりに徹した。試合中、ピンチの時は必ず岩森は大きな声を張り上げた。主将の自分が率先して、最後までチームを引っ張り、一つにまとめたかった。

 岩森は試合前、帽子のつばの裏に「One for all All for one」の文字と3年生全員とマネジャーの名前を書いた。「みんなの心を一つにしたい」との思いを込めた。

 試合は2―5で敗れた。でも、一つにまとまって戦うことができた。岩森は帽子をぎゅっと握りしめ、文字をじっと見つめ涙声で言った。「みんな全力を出した。悔いはない。……でもみんなで、勝ちたかったです」

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