|
ここから本文エリア 桜井(富山)ニュース 巧打好守、随所に 桜井の熱戦を振り返る2007年08月14日 第89回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高野連主催)に17年ぶりの出場を果たした富山代表の桜井。東福岡に延長の末に敗れ、悲願の甲子園1勝はならなかった。しかし、巧打好守が随所に光り、全国に桜井の名を知らしめた。その熱戦を振り返る。 富山大会では、1番から7番まで打率が3割5分を超え、「打力のチーム」といわれた桜井。しかし、先発した東福岡の左腕投手の直球にはキレがあり、3回まで8三振を喫した。 だが、1点を追う4回、3番片山が三塁打を放つと藤井の適時打でまず同点。中西恵は、適時二塁打に加えて足を使った攻撃を仕掛け、相手のミスを誘った。早めのカウントから打ち、畳みかけるような攻撃は桜井の真骨頂だった。犠打も五つと確実に進塁した。 7回以降も、何度も得点圏まで走者を進めたが、あと1本が出なかったのが惜しまれる。 好守も見せた。球をはじいても落ち着いて捕球して送球し、アウトを取った。1回、遊撃手の森が先頭打者の打球を好捕。左翼線を破る長打でも、堅実な中継プレーで打者を三塁で刺した。 印象的だったのが8回。東福岡の攻撃で、一塁走者の二盗の間に三塁走者が本盗を狙うも、森の落ち着いた送球で本塁でタッチアウト、追加点を許さなかった。失策は延長11回の一つだけ。 舘野和信監督が試合後、「守りの野球ができてうれしい」と話したように、春の県大会まで失策が目立った桜井は、守備面で成長した。 先発したエース上島の好投も光った。持ち味の制球力に加え、春にはシュートを覚え、球種を増やした。スライダー、カーブなどの変化球に直球を織り交ぜ、球を丁寧に低く集め、テンポの良い投球で、6回を投げて4被安打6奪三振。「調子は良かった」と上島。だが、7回に軽い肉離れを起こし、無念の降板。 急きょ継投したのは、ベンチ入りで唯一の2年の長川原。富山大会では2試合の計2イニングしか登板していない。しかも、いずれもコールドゲーム目前の登板。 富山大会以上のイニングを甲子園で任された。持ち味の速球で4回4奪三振と抑えたが、9回あと1アウトのところで適時打を浴び同点。次第に制球が甘くなり、最後は四球押し出し、今大会初のサヨナラ負け。だが、苦しい状況にも、1球1球堂々と投げる姿には、球場から大きな拍手がわいた。 試合後、舘野監督は「甲子園で勝つのは大変だと実感した。同時に、そう遠くないとも感じた」と振り返った。 桜井は、3年前に全国中学校軟式野球大会で準優勝した桜井中出身が11人、他の黒部市内の中学が5人、入善町の中学が2人。全員が新川地区出身で、団結力は強い。 11回のピンチでは、ベンチにいた主将松倉が伝令、「まだまだお前らと野球をしたいから。お前らのことを信じている」。マウンドに立った長川原を、内野陣の先輩たちが励ます場面もあった。7回に長川原が打者3人に抑えると、ベンチ前で藤井が頭をなでる光景もあった。 松倉主将は「最後まであきらめない気持ちで、桜井らしい元気なプレーができた」。藤井も「楽しかった。悔しかったけど、いい思い出になりました」。 「地元の学校に進んで甲子園に出場したい」と口をそろえていた選手ら。地元出身者のチームが全国に通用したことは、彼らの大きな自信につながっただろう。 |