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ここから本文エリア 富山ニュース やさしい4番「夢の一打」 逆転本塁打の富山・杉林選手2007年07月18日 9回裏、1点を追う富山。1死一、二塁で、打席には4番の杉林亮太郎捕手(3年)。6球目の内角直球を振り抜くと、打球はライナーで左翼席へ。「いった」。ベンチから全員が飛び出し歓声をあげる。杉林捕手はベースを一周しながらそれを見て「夢だな……」。頭の中は真っ白になった。本塁を踏むと、仲間にもみくちゃにされた。
捕手としても、主将の三浦明雄投手(3年)をうまくリードした。シード校の高岡商を8回まで2点に抑えた。だが3点リードで迎えた9回表。「この回が終われば」。勝ちを意識した杉林捕手は、簡単にストライクを要求してしまう。疲れの見える三浦投手は連打や押し出し四球で4点を失い、逆転された。 三浦投手は、杉林捕手を「ちょっと優しすぎる性格。僕の勢いにあわせすぎるというか……」と評する。強打者だが、練習試合でもあまり勝負強くない。9回裏、三浦投手は泣きそうなのをこらえ、「期待してる。しっかり振ってこい」と杉林捕手に声をかけた。 杉林捕手は、1回に中途半端な打撃で好機をつぶしたことを悔やんでいた。「決めてやる」。チームに迷惑をかけた分を取り返したい。5球目を空振り。「タイミングはずれてない」。内野ゴロを打てば併殺で試合が終わるかもしれない。「あらゆる可能性を考えたら、思いっきり振った方がいい」と意気込み、6球目を振り切った。 「人生で一番うれしい」。公式戦初本塁打が、逆転サヨナラ本塁打になった。だが杉林捕手は落ち着きを取り戻すと、優しい笑顔で言った。「今日のことは忘れて、次からまたチームの役に立つ打撃をしたい」 |