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駒大苫小牧(南北海道)ニュース

駒大苫小牧 9回裏、奇跡起こらず 大会を振り返って

2007年08月15日

 5日の組み合わせ抽選会。初戦の相手が広陵(広島)に決まると、香田誉士史監督は厳しい表情で相手の印象をこう語った。「強い。当たっちゃった」

写真試合に敗れ、一礼してグラウンドを去る駒大苫小牧の選手たち=阪神甲子園球場で

 大阪入りしてから、35度を超える暑さにも慣れ、調子は上がってきていた。臨時コーチとして帯同していたV1時の主将・佐々木孝介さん(現駒大野球部3年)は、「僕たちの頃よりも力は上。やってくれると思います」と期待していた。

 香田監督の表情も試合が近づくに連れて明るくなった。「選手たちの調子はかなりいい」。ただ、一抹の不安も口にしていた。「今年のチームは特待生問題などで、本州の強豪との試合経験がない。自分たちの野球はどこまで通用するのか」

 待ちに待った初戦は、午後5時19分開始。甲子園のナイターという夢舞台に、選手たちは喜んでグラウンドに散った。人気校同士の対戦に、2万7000人の観客から好勝負を期待する拍手と歓声が甲子園にこだました。

 駒苫打線は2回、狙い通りの先制点を奪う。しかし、尻上がりに調子を上げてきた野村投手を次第に打ちあぐねる。「スライダーがすごかった。相手が上でした」(安孫子翔太三塁手)

 1点リードで迎えた9回表。無死一塁で継投した左腕・久田良太投手は、暴投と死球で無死一、三塁とピンチを招く。制球に苦しみながらも4、5番を打ち取り「あと1人」にまでたどり着いた。

 だが、高めに浮いた直球をはじき返され、3―3の同点に。さらに2死一、二塁で痛烈な打球が二塁方向に飛んだ。小鹿尚吾二塁手は打球を体で止め、本塁に好返球。走者を三本間で挟殺し、延長戦入りか――そう思われた時、幸坂好修捕手の送球は三塁手のグラブをはじき、ファウルグラウンドを転がった。「投げなければ、と思い、力が入ってしまった」。半ば手にしかけた勝利が、駒苫の手をすり抜けた瞬間だった。

 その裏の攻撃では、幸坂捕手が2死から二塁打を放ち、捕逸の間に一気に生還して1点差に追い付いた。「アウトとか関係なく、とにかく『いける』と思った」(幸坂捕手)。みな奇跡を信じた。しかし、それは起こらなかった。最後の打者も三振に倒れ、駒苫の短すぎる夏は終わった。


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