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ここから本文エリア 静岡ニュース ムード作る存在、祈り届かず 掛川東・山田紘也選手2007年07月29日 2点を追加された6回裏。2死満塁のピンチで掛川東の山田紘也選手(3年)が伝令としてベンチから飛び出した。マウンドにつくと、とびきりの笑顔で、こう言った。「楽しんでプレーしようよ」。すると、みんなが帽子をかぶっていない山田選手の青い坊主頭に次々と手をあてた。大きな頭がトレードマーク。チームのムードを作る存在だ。
8回裏、ベンチで笠井貴史監督から9回の攻撃での代打を告げられた。9回は上位からの打順。出番はないかもしれないと思っていた。 「チャンスに強い存在になりたい」と大会2カ月前から、打撃練習に専念した。もともとは捕手だが、1年生に正捕手の座を明け渡し、捕手として試合に出たことはない。 だから、打撃にかけた。みんなが守備練習をしているときもバットを振り続け、多いときは1日に1000回振った。 2回戦の桐陽戦。代打に立って二塁打を放ち、2点をたたき出し、コールドにした。 今大会2回目の打席。入る前、ポケットからハンカチを取り出し、顔をふいてリラックスして見せた。「最後までずっと、笑ってプレーしようと思った」。5球目、狙っていた直球だったが、打球は鈍く転がり、内野ゴロに終わった。ベンチに戻ると、手を組んでじっと祈った。祈りは、届かなかった。 試合後、泣き崩れる選手たちを支え、励ました。「このチームだったから、楽しく野球ができた」。そう言うと、初めて目に涙を浮かべた。 |