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滋賀ニュース

近江猛攻、2年ぶりV 2年生両エースに明暗

2007年07月29日

 初戦で敗退した屈辱の夏から1年、近江が念願の甲子園へ――。大津市の皇子山球場で28日にあった第89回全国高校野球選手権滋賀大会の決勝。4年ぶりに同球場が決勝の舞台となり、約4000人の観客が声援を送った。03年の決勝と同じ顔合わせ。近江は4回に一挙10点を奪うなど16安打の猛攻で、北大津に圧勝した。近江は2年ぶり9回目の甲子園出場、滋賀大会での優勝は10回目となる。全国大会は8月8日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。

写真北大津―近江 4回裏近江1死二、三塁、青山のスクイズに捕手金田が跳びつくが届かず。三塁走者川村が生還、勝ち越し点をあげる=皇子山

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 ともに継投で勝ち上がってきた両校による決勝は、接戦になると予想された。しかし、2人の2年生エースは、明暗がくっきりと分かれた。

 「小熊を援護するぞ」。1―1で迎えた4回、近江のベンチに声が響いた。その言葉通り、近江打線は北大津の先発東山をとらえる。

 先頭打者は1回に同点打を放った4番川村。今大会3本塁打の強打者が安打で出ると、和田の二塁打で1死二、三塁と好機を広げた。ベンチの多賀監督が仕掛ける。青山のスクイズは小フライとなり、捕手金田が跳びついたが届かない。待望の勝ち越し点を奪い、さらに大曲が三遊間へ転がした打球が、遊撃手の逆をついて内野安打となって3点目。近江が着実に点差を広げ始めた。

 これ以上離されたくない北大津は、エース河合を投入。今春の選抜大会で背番号「1」だった東山は、エースナンバーをめぐって競い合ってきた河合に「すまんな、頼むわ」と告げ、マウンドを降りた。

 「楽しく投げよう」。そう考えながら登板した河合だが、小熊に左前適時打を許すと、甘い球を見逃さず、早いカウントから振ってくる近江打線につかまった。決め球のスライダーが甘くなり、直球もことごとくはじき返される。河合は「自分が背番号1でいいのか」とマウンドで自問自答し始めた。

 重圧を振り払えないまま、連打に守りのミスが重なり、結局この回打者15人で10失点。河合は5回にも1点を奪われ、この回で降板。河合は「また一から走り込んで、来年こそ甲子園に行く」と雪辱を誓った。

 最初に試合を動かしたのは北大津だった。先頭宮里がいきなり右越え三塁打。続く佐藤が初球スクイズを決めて先制した。佐藤はその裏、同点とされた後、2死一、三塁でセンターに抜けるかと思われた打球をダイビングキャッチし、好守でもり立てた。

 近江のエース小熊はこの夏、初めて先発に立った。これまで多賀監督は、小熊を抑えの切り札として起用してきたが、大一番を託した。

 小熊は、立ち上がりから直球が走ってないと感じていた。ピンチを迎えるたび、捕手の堀が駆け寄ってくる。「打たれてもいい。取り返してやるから思い切り投げてこい」。先輩の言葉がエースを勇気づけた。堀は4回に3点二塁打、5回にも適時打で計4打点を挙げる活躍。バットでも小熊を救った。

 大量リードをもらった小熊は中盤以降、自分の投球を取り戻した。スタミナに不安を感じながらも、要所を締めた。しかし、北大津は簡単に勝たせてくれなかった。9回1死から連打を浴び、佐藤と石川の適時打で2失点。堀は小熊の元へ向かった。「お前がエースや。ここまで来たら打たれたらあかんで」

 最後の打者を打ち取ると、小熊はスコアボードを振り返って両手を高く上げた。「やった、という気持ちと安心感が半々ぐらい」。公式戦初の完投。疲れをにじませた笑顔をみせながら、歓喜の青い輪に包まれた。


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