|
ここから本文エリア 近江(滋賀)ニュース 近江の夏、1点に涙 無失策の好試合2007年08月16日 第89回全国高校野球選手権大会(日本高野連、朝日新聞社主催)第8日の15日、2回戦で今治西と対戦した近江は打線がふるわず、惜敗した。相手投手の前にわずか2安打。三塁が遠かったが、「守りからリズムをつくろう」というチームの合言葉通り、無失策の好試合をみせた。多賀監督は「1点の重さ、野球の怖さを学んだはず」と今後の成長に期待する。2年生のエース小熊凌祐君は「また一から出直し、来年必ず戻ってくる」。甲子園の土は持って帰らず、雪辱を誓った。
今治西の6回の「1」を除くと「0」ばかりが並んだスコアボード。土壇場の9回、近江は2死からこの試合2本目の安打で走者を出した。「1点入れば」。ベンチもスタンドもかたずをのんで竹内章悟君の打席を見守った。だが、カウント2―1から渾身(こんしん)の力を込めて振ったバットは空を切った。ゲームセット。竹内君はホームに覆いかぶさるようにしゃがみ込んだ。 1回戦の松商学園(長野)戦で12安打を放った近江打線は、今治西のエースのスライダーに翻弄(ほんろう)され続けた。ビデオを繰り返し見て研究したが、縦と横に切れる球は予想以上だった。 1回、先頭の上村諒君が安打で出たが、次打者の犠打は失敗。以後も打線は沈黙を続けた。「何とか1点取ろう」。選手たちは声をかけ合ってチャンスを待った。4、7、8回も先頭打者が四球で出たが、後が続かない。「的を絞って打席に立ったが、最後までボール球を振らされてしまった。相手が上だった」と山田祐幹主将。力を出し切った表情だった。 近江も相手打線になかなか点を許さなかった。1回に2死満塁のピンチを迎えたが、1回戦に続いて先発した橋本彬君が気迫の投球で三振に抑えた。 多賀章仁監督が先発に選んだのは「橋本の気迫で流れをつくりたい」と考えたからだ。橋本君は「とにかく攻めよう」と考え、死球を与えても強気に内角を攻め続けた。 5回まで4安打に抑える好投をみせ、6回からエースの小熊凌祐君にマウンドを託した。だが小熊君は先頭打者に安打と盗塁を許し、さらに左前安打で先制されてしまう。打たれた2球は自信があった直球だった。 ベンチに戻った小熊君に橋本君は「3年が取り返してやるから」と声をかけた。相手投手を打ち崩せるか、不安を隠せない選手たちに多賀監督は「必ず好機が来る。この1点は忘れろ」と話した。小熊君は追加点を許さなかったが、試合後、「制球が甘かった」と6回の失投を悔やんだ。 01年に甲子園で準優勝。以後2年ごとに出場してきた近江にも苦難の時期があった。 昨夏の滋賀大会は初戦敗退。新チームは「どん底」からスタートした。「あの時期があったから今がある」。選手のだれもがそう話す。この試合でも選手たちは逆転できると信じ、最後まで全力でプレーした。多賀監督は試合後、「攻守ともに力を出したナイスゲームだった」と選手たちをたたえた。 |