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ここから本文エリア 見どころ 代表の49校、記者が分析2007年08月05日 4強軸に混戦 全国高校野球選手権大会、8日開幕第89回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)は8日から15日間、阪神甲子園球場で開かれる。今夏も4000を超える参加校の中から地方大会を勝ち抜いた49校が、深紅の優勝旗を目指す。昨夏、史上2校目の3連覇に一歩届かなかった駒大苫小牧(南北海道)が4年連続で決勝まで勝ち進めば、史上初の快挙となる。今春の選抜大会を制した常葉菊川(静岡)は史上6校目の春夏連覇に挑む。地方大会を取材した4本社のスポーツグループ記者が、49代表の戦力をさぐった。 〈座談会出席者(いずれもスポーツグループ所属)〉 偉業狙う駒苫・常葉菊川 機動力の帝京・打の報徳
A 駒大苫小牧は今年も戦力が整っているらしいね。 B 昨年の田中(現楽天)や本間(現亜大)のような軸となる選手はいないけれど、全体のレベルは高い。投手は片山、対馬の左右の二枚看板。打線も切れ目がないし、走塁がうまい。 D 南北海道大会の決勝は二塁打が7本。相手にすきがあれば次の塁をうかがう姿勢が全員に染みついているね。 C 香田監督も「スピードは昨年より上」と言っていた。 A 昨年は3連覇こそ逃したけど、今年も決勝まで勝ち進んでいく力はありそうだね。 E 常葉菊川には史上6校目の春夏連覇がかかる。 B 静岡大会では苦戦しながらも、強豪校を倒してきた。終盤の粘りは特筆に値する。 D 送りバントは春のように、めったにしない。失敗を気にせず、常に相手にプレッシャーを与える。静岡商との決勝では、0―2の7回無死一、二塁から重盗を決め、一気に7点をとった。あれは驚いたね。 C 優勝投手の田中は春に比べ、振りだす左腕の高さを少しだけ上げた。カーブ、ツーシームがより有効になった。同じ左腕の戸狩も完投能力がある。2人いると、夏は心強いよ。 A 春ベスト4の帝京(東東京)も、投手陣の層は厚いよね。 B 大田と高島は右の本格派。この2人だけでもすごいのに、左腕の垣ケ原が調子を上げた。甲子園では大田に代わって背番号「1」をつける。 C 打線も通算60本塁打の中村を筆頭にみんな振りが鋭い。もっとも、今年一番の魅力は機動力だ。東東京大会6試合で29盗塁。エンドランも使って、どこからでも点をとってくる。 A スケールの大きいチームだね。西日本はどうかな。 D 報徳学園(兵庫)を推したい。1番竹田は兵庫大会で打率が6割5分5厘、2番中尾は4盗塁を記録した。2人が出塁して中軸がかえす。下位打線もボール球は振らないし、洗練された打線という印象だ。 E 不安は2年生左腕の近田の調子が良くないことだね。 D 決勝の神戸国際大付戦は13安打を浴びて6失点。球が浮き、変化球の切れもなかった。ただし、四球は一つしか出していない。悪いなりに粘ることができる投球術を持っている。 A 今春の選抜は1回戦で負けたが、あのときは、けが人が出てマイナス要素があった。投手陣には右横手投げの福島もいるし、地力はあるよ。 C この4校を優勝候補と言っていいかな。でも、いずれも絶対的な力はない。今年も例年以上の混戦が予想されるね。 大垣日大、春から成長 仙台育英・金光大阪に好投手A 選抜大会準優勝の大垣日大(岐阜)は、4強に匹敵する力があるはずだ。春からの成長点はどこだろうか。 C 選抜で奮闘した右腕の森田はスライダーに一段と磨きをかけた。春は野手上がりという印象がぬぐえなかったが、フォームをワインドアップに改良し、直球もよく伸びるようになった。ただ、2番手以降の投手が手薄なのも事実。選抜も連投の森田が最後に力尽きた。勝負強い打線と自慢の堅守で、どれだけもり立てられるか。 B 絶対的なエースが引っ張るという点では、3季連続出場の仙台育英(宮城)も同じ。佐藤由の最速155キロの直球と140キロに迫るスライダーは高校生レベルを超えている。力勝負だけでなく、打たせてとるうまさも併せ持っている。攻略するのは至難の業だよ。 D 金光大阪の左腕・植松にも注目したい。スリークオーター気味のフォームからカーブ、スライダーなど多彩な変化球を投げ込む。大阪桐蔭の中田を昨夏から13打席無安打に抑え、実力は折り紙付き。「怪物に勝った男」は、各チームの打者の目標になっているね。 B 首都圏は今年も実力校ぞろい。埼玉、千葉、神奈川の激戦区を突破した3チームのカラーはくっきり分かれる。2年連続出場の浦和学院(埼玉)は強力打線。上位から下位まで切れ目がない。高校通算58本塁打の赤坂と、同40本の鮫島、さらに阿部と昨夏を経験した中軸の破壊力は出場校の中でも屈指だ。 A 市船橋(千葉)は投手力だ。岩崎、山崎の両右腕はともに150キロ近い直球を投げる。とくに岩崎は、千葉大会準々決勝で7回参考ながらノーヒット・ノーランを達成した。緩急、制球力ともいいから、大崩れすることはないだろう。 E 投攻守のバランスでは桐光学園(神奈川)。7試合で3失策と守りは堅い。長打力には欠けるが、単打でつなぎ、犠打と盗塁を駆使した攻撃はそつがない。投手も左の立木に右の丸山とそろっている。 C バランスの良さでは、選抜8強、春の中国地区大会優勝の広陵(広島)も目をひく。主将で3番の土生にエース野村と、投打の柱がしっかりしている。6試合で8盗塁の上本崇を中心に機動力もある。 A 高知も充実しているよ。特に右腕・国尾が進境著しい。高知大会は5試合に投げ、わずか2失点と安定している。2番手の森田が右脇腹痛で投げられなかったというチーム事情が、エースのやる気を刺激したようだ。高知大会決勝ではライバルの明徳義塾を圧倒。勢いに乗って甲子園に乗り込んできた。 D 九州のチームはどうだろう。 F 総合力で目を引くのは日南学園(宮崎)。左腕の有馬は2年生ながら最速145キロの直球を誇る。控えの中崎、湯野にも力があり、投手力は九州随一だ。気になるのは先発メンバーのうち7人が左打者ということ。各打者とも振りは鋭いが、好左腕とぶつかったときの攻め方が上位進出のカギを握る。 堅実な名電・常総F 昨夏、甲子園をわかせた顔ぶれが目立つのも今大会の特徴だね。 E ベスト4の智弁和歌山は昨夏ほどの長打力はないが、コースに逆らわず鋭くはじき返す打撃が光る。あとは1年生左腕の岡田を中心に継投でしのげるか。 B 山形勢として史上初めて8強に進んだ日大山形には、昨年もエースだった阿部がいる。右横手からスライダー、シンカーをコースいっぱいに決めれば、2年連続の活躍も夢でない。 E 日大山形に昨夏敗れた今治西(愛媛)は、3季連続の甲子園だ。 A 投打にわたる大黒柱が熊代。済美との愛媛大会決勝では延長11回に決勝打を放ち、投げても完投した。今春の選抜で常葉菊川に負けた雪辱を期している。 C 愛工大名電は愛知大会で71年の東邦以来の3連覇。バントや盗塁で相手を揺さぶる攻撃を今年も徹底している。倉野監督は5回目の夏の甲子園。まだ1勝もしていないだけに燃えているよ。 D 常総学院(茨城)も就任4年目の持丸監督の野球が浸透してきた。確実にバントで好機を広げ、シャープな打撃で得点を重ねる。木内前監督(現総監督)も「歴代5本の指に入るチーム」と評価する。 F 8年連続初戦敗退の三重勢だが、今年の宇治山田商は力がありそうだね。 C 本格派右腕を2人そろえているからね。3年生の中井は最速146キロ。2年生の平生は三重大会決勝で無四球完封した。あとは打線が2人をどれだけ援護できるか。 B 右腕と言えば、前橋商(群馬)の佐々木も負けていない。変化球を見せ球に伸びのある直球で打者を抑える。フォームに無理がないから連投もきくのも夏向きだ。 A 岡山理大付の中嶋は身長185センチの大型右腕。高校2年から投手に転向したため経験はまだ浅いが、体力も技術も付いてきた。 C 体格に恵まれていなくても目覚ましい活躍をする選手もいる。 E 近江(滋賀)の4番川村は身長168センチながら、地方大会では準々決勝まで3試合連続本塁打をマーク。2年ぶりの夏の甲子園出場の原動力となった。 D 智弁学園(奈良)の4番岸田も身長は168センチ。パワーと柔らかいバットさばきを兼ね備える。昨夏まで4年連続出場の天理の壁を破り、5年ぶりの復活だ。 B 最南端の2校の戦いぶりも楽しみだね。 F 24年ぶり出場の興南(沖縄)はタイプの違う3投手を持つ。引き分け再試合となった沖縄大会決勝では再三のピンチをしのぎ、粘り強さを印象づけた。 A 初出場の神村学園(鹿児島)はむらなく打つ打線が自慢。準優勝した2年前の選抜大会の再現を狙っている。 新潟明訓・尽誠、投手充実A 今年も甲子園の常連校が多く出てきたね。 B 青森山田は青森大会を圧勝で勝ち上がり、4年連続の出場。チーム打率は4割を超え、投手陣も右横手の石井、左の中西と充実している。 E 福井商も3年連続で夏の全国切符をつかんだ。4番の宇野をはじめ、全員の振りが鋭い。下位打線からも好機をつくれそうだ。 D 今回の代表校では2番目に多い22回目の出場を誇る徳島商はチームにまとまりが出てきた。長打力はないが、バントなどを生かした堅実な野球が浸透している。伝統校らしい戦いぶりだ。 A 投手陣がしっかりしたチームも多いね。 E 注目は京都外大西の本田。一昨年の準優勝に貢献した大型右腕だ。当時と同じく抑え役として、度胸満点のマウンドさばきを見せている。ほかにも左腕の白井、右腕の辻ら投手層は厚い。 B 文星芸大付(栃木)の佐藤は最速140キロ近い直球が持ち味で、変化球のキレ、制球ともにいい。新潟明訓には、フォークやカットボールなど多彩な変化球を操る右腕永井がいる。竹田、関らも控え、投手層は厚い。新潟県中越沖地震の被災地に、新潟県勢8年ぶりとなる初戦突破の吉報を届ける可能性も十分ありそうだ。 D 尽誠学園(香川)は左腕の藤井が投手陣を引っ張っている。球の出どころが打者から見えにくく、縦、横2種類のスライダーも使え、対戦相手は苦戦するだろうね。 F 九州勢も好投手が多い。長崎日大のエースは左腕の浦口。スライダーを武器に、準決勝で春の九州王者・清峰に完投勝ちした。 D 佐賀北は左腕の馬場からエース右腕の久保につなぐのが必勝パターン。3失点以内に抑え、安定した戦いをしてきた。東福岡も右腕のエース小原と左の水落の2投手を擁し、上位進出を狙っている。 B 久々のチームもあるね。甲府商(山梨)は実に44年ぶりの出場。2年生エースの米田を中心とした守り勝つ野球で復活を果たした。機動力を生かし、うまく得点を重ねていきたい。 A 創価(西東京)は12年ぶり、星稜(石川)は9年ぶりの復活。創価・勘米良、星稜・高木の両左腕エースを、ともにバックが堅守でもり立てる。失策は6試合で4個と3個。安定した守備から自分たちのリズムをつくって、攻撃につなげていきたいところだ。 走力光る金足農・松商学園C 駒大岩見沢(北北海道)は、地区の再編・統合で南北海道から編入し、いきなり代表に名乗りをあげた。地方大会全6試合で先制点を挙げるなど打撃が好調だ。 B 初優勝を目指す東北勢にも注目だ。花巻東(岩手)は春の東北王者の一関一、連覇のかかった専大北上を破った。1年生左腕の菊池は140キロ台の直球を投げる。金足農(秋田)は6試合で14盗塁の機動力が武器。先の塁を狙う意識も高く、野手のちょっとしたミスを見逃さない。 F 聖光学院(福島)は渡辺恭、仲田、佐藤の2年生投手3人がフォームを崩したエース鈴木健を支え、春夏連続出場を果たした。 B 松商学園(長野)は全国最多となる34回目の出場。1番島田の6盗塁をはじめ、チーム盗塁数は6試合で25個。犠打も20個決めるなど、手堅さもある。 E 2年連続出場の開星(島根)は、昨夏も甲子園を経験した右腕吉田の投球がカギ。捕手の早戸はチーム最多の8打点を挙げた。 F 初出場の楊志館(大分)は5番南が地方大会で3本塁打。準決勝、決勝と大事な試合でも一発を放っており、勝負強さを感じる。 D 公立校にも楽しみなチームが多い。 F 岩国(山口)は先発メンバーの多くが50メートルを6秒台前半で走る。チーム打率は2割4分と低いが、機動力を生かせばチャンスは広がる。 F 34年ぶりに出場する八代東は熊本大会の準決勝で2点をリードされた9回、一挙6点を挙げて逆転した。粘り強さが持ち味だ。 B 桜井(富山)は17年ぶりの甲子園。高校通算39本塁打の藤井をはじめ、打率4割台が4人いる強力打線で甲子園初勝利に挑む。 A 境(鳥取)は、右横手投げの山本が地方大会4試合を1人で投げ抜いた。バックも3失策と堅い守備をみせ、競り合いには強い。 |