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ここから本文エリア 楊志館(大分)ニュース 楊志館、楽しむ姿勢8強へ躍進 選手らの戦い振り返る2007年08月22日 第89回全国高校野球選手権大会に初出場した楊志館は20日、準々決勝で長崎日大に敗れたが、県勢6年ぶりの初戦突破と8強進出は、多くの県民に感動を与えた。6月16日から続いていた練習試合と公式戦を含めた連勝は19で止まったが、この甲子園での敗戦から新たなチームづくりがまた始まる。「伝説の夏」となった楊志館球児たちの挑戦を振り返った。
大分大会では「甲斐大樹君という良い投手がいる」と前評判は低くなかったが、優勝候補として楊志館の名が挙がることは少なかった。が、終始安定した試合運びで甲子園出場をつかんだ。 そして今月5日の抽選日。阿南卓也主将が第6日(2回戦)の高知を対戦相手に引き当てる。高知は、投打ともに注目校で、実力では楊志館よりも上と見られていた。 「高知は地方大会で、競った試合をほとんどしていない。序盤に先制すればあわてるのではないか」。宮地弘明監督は、こう読んだ。「相手の主将さえ抑えれば、向こうは波に乗れない」 13日の初戦では、その「読み」が的中。序盤に4点を先制すると、追いすがる高知を終盤にも加点して突き放した。相手主将の失策から得点し、安打も1本に抑えた。 初出場ながら、硬さは見られず、中堅手の安部専潤選手らの度々の好守は何度も甲斐投手を救った。前評判をひっくり返す試合展開に、甲子園はわき、「楊志館」の名前を強烈に印象づけた。 3回戦は17日、徳島商を破り、勢いに乗る開星(島根)との対戦。5回までは、相手投手のスライダーに苦しめられ、1安打、無得点。が、6回に一挙6点を挙げ、逆転勝ち。「こんな試合、見たことない」と宮地監督が驚くほど、着実に点を加えていく楊志館らしからぬ展開だった。 そして20日。準々決勝の長崎日大戦は、ベンチ入りした18人中15人が出場した。最後の打者となった松永賢人選手は、まだ1年生。将来を期待されての大観衆の中での代打は、松永選手の「これから」に大きな経験になったことだろう。 試合後、多くの選手が「楽しかった」と笑顔を見せた。阿南主将の代打として空振り三振に倒れた森山翔平選手も「満足です」。「楽しむ野球」ができたことに、選手たちは胸を張っていた。 ◇ 宮地監督は6月初め、「うちは来年のチームですから」と話していた。事実、先発の半分近くを2年が占め、控えの選手にも2年生が多い。 大分大会で4強に残った昨年の3年生と、2年生に挟まれ、「谷間の学年」と呼ばれた今年の3年生だったが、阿南主将がチームをまとめ上げ、チーム総力として相手を上回る試合ができた。 入院中の女子マネジャーや、片目に障害を負ってしまった久原和樹選手のために、応援してくれている両親や家族のために――。そんな、選手たちの思いが結実した夏の大会だった。 強さの秘訣(ひけつ)を問われた時、石井柳太選手は、こう答えた。「誰かのためにやるって、こういうことなんでしょうね」 |