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大分ニュース

強気の姿勢 仲間を鼓舞 藤蔭・釘宮啓輔投手

2007年07月09日

 2回。藤蔭の投手、釘宮啓輔は、捕手の森近京祐のもとへ駆け寄り、背中をたたいて、こう励ました。「お前は球を捕ってくれるだけでいいから。精いっぱいプレーをしてくれれば、それでいいから」

藤蔭の釘宮啓輔投手

 1年生捕手の緊張をほぐしてあげたいと思った。だから、まずは自分が誰よりも落ち着いているところを見せることにした。

 昨夏も背番号「1」をつけて、新大分球場のマウンドに上がった。キレのあるスライダーと直球を武器に、初戦は9回を投げて被安打7。まずまずの滑り出しだったが、続く3回戦で敗れた。

 精神面が課題だと言われた。確かに、苦しくなると、いつも表情に出てしまう。寮生活を送りながら、日々の生活でも平常心でいられるように心がけた。

 この夏は違った。「ピンチの時にも動じない」「いつも冷静で、相手との間合いを計算できる」。こう評価されるようになり、「今大会ナンバーワン投手」とまで言われるようになった。

 その釘宮がこの日、珍しく、高ぶった感情を体全体で表現した瞬間があった。3回。失策と右前安打、捕逸で2死二、三塁のピンチを、三振で切り抜けた時だった。

 「よっしゃあ!」

 マウンドで跳び上がり、大きくガッツポーズをして見せた。

 自分をほめたわけではない。自分だけの世界に浸っていたわけでもない。チームを盛り上げ、「最高の仲間と、1試合でも多く野球をしたい」一心からのパフォーマンスだった。

 だが、その願いはかなわなかった。

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