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ここから本文エリア 智弁学園(奈良)ニュース 智弁学園 白星二つ「力出し切った」2007年08月20日 第89回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社・日本高野連主催)で5年ぶりに出場した智弁学園。持ち前の強力打線で甲子園では3回戦までコマを進めた。1回戦は10安打で12得点。2回戦では大会屈指の右腕、仙台育英の佐藤由規投手を打ち崩した。「自分たちの力は出し切った」と話す智弁学園の選手たちの夏を振り返る。 智弁学園の選手たちは19日朝、泊まっていた大阪市内のホテルを出発した。バスで五條市の智弁学園高校に戻り、1、2年生はさっそく新チームで練習を始めた。 朝は、帝京戦のあとに3年生の選手がそろって行ったボウリングの話で盛り上がっていた。一夜あけて佐藤龍司主将は「甲子園の舞台に立てたことは、苦しい練習を続けたことに十分見合う重みがあった」。甲子園でやり終えた、という充実感からか、みんなリラックスした雰囲気だった。 智弁学園の甲子園までの道のりは、決して楽ではなかった。奈良大会、5試合中2試合を、逆転で勝ち上がった。 初戦の登美ケ丘戦。先発の左腕に内角を鋭くつかれ、5回まで無得点に抑えられ、5点のリードを許す。その後、8点をとって逆転勝ちした。 苦しい試合を乗り越えて、選手たちは精神的に強くなった――。選手たちも関係者も認める。 四死球や失策でもいいから塁に出る「つなぐ打線」。これは今年の智弁学園の合言葉で、甲子園の舞台でも貫かれた。 打線が売りの今年の智弁学園は、相手投手の研究に余念がなかった。 特に2回戦の相手、仙台育英は、最速155キロの大会屈指の好右腕の佐藤由投手を擁する優勝候補。「バットに当たりっこないですよ」などおどけてみせる選手もいたほどだった。 選手たちは佐藤由投手のビデオを何回も見て研究した。小坂将商監督は「本塁寄りに立ち、指2、3本分バットを短く握れ」と指示。「セーフティーバントの構えをするなど相手を揺さぶる打者」「打っていく打者」の役割も分担させた。 少しでも佐藤由投手をバテさせようとした作戦。各打者ごとに「直球ねらい」「スライダーねらい」を徹底させた。その分「スライダーを狙ったやつが、直球3球で三振しても、それは仕方がない」と割り切らせた。 選手たちは、その作戦を着実に実行した。試合前日には、「いい投手だからこそ打って、有名になりたい」「どんな球か対戦するのが楽しみ」と話す選手もいるほどだった。 3回戦の帝京戦では、持ち前の徹底した打撃は影を潜めた。 帝京の左腕垣ケ原達也投手について、小坂監督は「高めは振るな。直球を狙っていけば何とかなる」と選手に伝えていたが、智弁打線は、直球、変化球を織り交ぜ、内外に制球良く投げる投球術にはまってしまった。 泥臭くバットに当てて塁に出ることを徹底する選手たちが、見逃しの三振をする姿も目立った。残念でならない。 仙台育英戦は佐藤由投手という注目投手がいた。打ち崩せばヒーローになれると思ってみんな頑張っていた。でも、帝京戦は少し盛り上がりに欠けていた面があったかもしれない。 それでも、甲子園では自慢の打線の力を発揮できた。同時に、配球や作戦だけでは崩せない全国レベルの壁も痛感した。「自信」と「壁」。それぞれを胸に、智弁学園の新たな挑戦はもう始まっている。 |