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ここから本文エリア 日南学園(宮崎)ニュース 日南学園、強さ刻んだ 8回の1球で流れ変わる2007年08月18日 勝利は、最後に逃げていった。日南学園は17日、常葉菊川(静岡)との3回戦で、延長10回、サヨナラで敗れた。8強入りはならなかったが、相手を上回る11安打を放ち、春の選抜優勝投手をマウンドから引きずりおろした。
◇ わずか1球で野球の流れは変わる。その現実を日南学園は突きつけられた。春の選抜優勝校からつかみかけた勝利は、最後に手から滑り落ちた。 3点をリードして迎えた8回。先発の有馬の球は浮き始めていた。先頭打者に左翼線二塁打を浴びた。続く2人をゴロに打ちとり、4番相馬を迎える。内外角、高低ともきわどく突くが、8球粘られて四球を出した。 常葉菊川は5番打者に代打を出した。森下監督が「チーム一番の伸び盛り」と期待する2年の伊藤だ。二盗を決められ2死二、三塁。有馬はファウルで粘る伊藤に8球目を投じた。 内角直球が金属音を残して、弧を描いた。その瞬間、有馬は「いったなあ」とマウンドでしゃがみ込んだ。左翼席に飛び込む同点の3点本塁打。スタンドがどよめいた。 10回、日南学園は130球を投げた有馬の代わりに、右翼手の中崎をマウンドに送った。二塁打、四球などで2死一、二塁。また、あの打者が打席に立った。3点本塁打を放った伊藤だ。 中崎は2ストライク1ボールから最も自信のある低めのスライダーを投じた。伊藤がバットを振った。二塁の左側に転がる。遊撃手の大原が飛びつく。グラブに当たった。打球は中堅手の持田の前へ。持田が本塁に返球した時、サヨナラの走者は駆け抜けていた。試合終了を告げるサイレンの中で、悲鳴と歓声がひとつになった。 大原はその場に倒れ込んだ。「死んでも捕ろうと思った。申しわけないです」。サインに応じて三塁側に寄っていた分、運がなかった。 日南学園の打者の集中力は常葉菊川に負けていなかった。5回2死から大原、畑中、大松、中崎、西井が安打を放ち、一気に3点を先制した。有馬の最速144キロの直球も全国レベルだった。マスクをかぶった畑中は「変化球で打たれるより、直球で勝負した」。敗れても強い。堂々と戦った選手たちは大観衆に鮮烈な印象を残した。 |