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仙台育英(宮城)ニュース

怪腕・粘り、印象鮮烈 仙台育英の「夏」

2007年08月18日

 3季連続で甲子園に臨んだ仙台育英は、昨夏に続き2回戦で涙をのんだ。しかし、甲子園最速記録とされる155キロの速球を投じた佐藤由規投手、粘り強く戦った選手たちの姿は、鮮烈な印象を残した。「もっと仙台育英の試合を見たかった」。チームが去って、そんな声が上がった。甲子園での再会を待ち望む全国のファンは多い。

写真智弁学園に敗れ、涙ぐむ仙台育英の選手たち=阪神甲子園球場で

 仙台育英は、全国屈指のスラッガー中田翔を擁する大阪桐蔭を破った金光大阪(大阪)、強打の帝京(東東京)など強豪がひしめくブロックで1回戦から登場した。

 1回戦の相手は智弁和歌山(和歌山)。打線は、1回に高橋巧の三塁打などで2点を先制。同点で迎えた8回には2死から一丸翔の左前安打などで一、二塁の好機をつくり、橋本の左翼線への2点適時打で、勝利をもぎとった。

 佐藤由は、強打の智弁和歌山から17奪三振。8回には、前の打席で2点本塁打を許した坂口を154キロの速球で三振に仕留め、リードを奪った後の9回は圧巻の3者連続三振でつけいるすきを与えなかった。「100点満点」と佐藤由。その気迫ある投球にスタンドからは自然に拍手がわき起こった。

 投打がかみ合い、躍進を予感させた仙台育英だったが、2回戦は少し様子が違った。球場が満員の5万人で埋め尽くされる中、智弁和歌山の姉妹校で、春の近畿大会を制した智弁学園(奈良)との対戦に臨んだ。

 4回に155キロを投げた佐藤由は、それまで被安打2。だが、次の5回、制球は微妙に狂い、二つの四死球で1死一、二塁のピンチを招く。ここから相手打線に3連続長短打を浴び、2死後も内野安打で追加点を許し、5点を奪われる。

 チームは、序盤に先制し佐藤由を楽にさせる作戦を立てていた。だが、5回までに度々、得点圏に走者を送りながら決定打が出ない。そうした嫌な流れが影響したのかどうか。佐藤由は「力みでバランスが崩れた」。捕手の一丸翔は「打撃で援護できなかった」と悔やんだ。

 その後、チームは立ち直る。そして9回には打線が粘りを見せた。遊佐の中前安打を足がかりに、高橋巧、佐藤司の長短打で2点を返し、スタンドをわかせた。

 全国が注目した剛腕・佐藤由。チーム内に交錯した責任感と遠慮ゆえに生じた一時の不協和音は試合を重ね、ピンチをしのぐたびに、互いを信じる絆(きずな)へと変わっていった。「この仲間たちとやれて良かった」。敗れて後、選手たちの共通した思いだった。

 特待生問題に揺れた春、ノーシードから勝ち取った宮城大会優勝、そして甲子園での1勝。選手たちは、その都度たくましさを増した。武子仁大主将は「応援してくれた人たちに感謝したい」とこの夏を締めくくり、後輩たちに来夏の飛躍を託した。


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