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仙台育英(宮城)ニュース

全員でプレー「悔いなし」 仙台育英・佐藤由規投手

2007年08月16日

 四球、犠打、死球、安打。5回裏、この試合初めての与四球をきっかけに塁が埋まった。

写真智弁学園に敗れ、グラウンドの土を集める佐藤由規投手

 「いつもの悪い癖。崩れちゃうときのパターンだな」。マウンド上で佐藤由規君(3年)は思っていた。

 球が上ずり、4回までの投球とは明らかに違っていた。しかし、なぜなのかは分からない。分からないまま、直球で連打を浴び、4点を失った。

 直後に正午を迎え、佐藤君はサイレンが鳴る中、スコアボードに向き直り手を合わせた。1年生だった05年、飲酒運転の車にはねられて亡くなった同学年の3人の生徒の冥福も祈ろうと、チームで決めていた。これで、少し気持ちが落ち着いた。不運な内野安打でさらに1点を失うが、後続を打ち取った。

 6回以降も思うように制球できない場面はあった。だが、仲間から「自信をもって投げろよ」と声がかかり、「うまくいかないときこそ、周りを信じなければ」と、追加点は許さなかった。

 「全員でやろうとする気持ち」とコミュニケーション。これがこの夏、成長できた点だと自負している。「高校屈指」と自分だけが騒がれる中、チーム内に遠慮や違和感が生まれていた。力みが目立ち、何度もピンチを招いてしまった宮城大会の準々決勝後、仲間に謝った。「1人でやっていてごめん」。そして、ようやく生まれたチームの絆だった。

 佐藤君が打たれ、リードを許していても、最後まで仙台育英の選手たちから笑顔は絶えなかった。9回には2点を返す意地も見せた。

 試合後、佐藤君は言った。「苦しいことも楽しいこともこのメンバーでやってきた。悔いはない」


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