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ここから本文エリア 宮城ニュース 土壇場、一球の怖さ知る 築館・千葉慶祐捕手2007年07月15日 マウンド上の相棒が投球フォームに入る。キャッチャーマスク越しに一塁走者が動くのが見えた。盗塁だ。
延長12回裏1死一、三塁。築館はサヨナラ負けのピンチだった。捕球した築館の捕手、千葉慶祐君(3年)は練習通り、素早く遊撃手に送球した。 それで一つ楽になるはずだった。 だが次の瞬間、信じられないものが見えた。 三塁走者が自分の方に走ってくる。「絶対アウトにしてやる」。遊撃手からの返球をとらえようと、グッと体を伸ばした。あと一歩……。その間に三塁走者が脇をすり抜けていた。 「セーフ!」 思わぬ形での敗北。審判の声が響き、一気に体の力が抜けてホーム上にへたりこんだ。 実は、千葉君はこの4月に捕手になったばかり。最初の一塁走者の盗塁で見せた迅速な送球こそ転身の理由。肩を買われ、二盗を刺せる捕手として外野からの転身を命じられたのだった。 これまで打者から飛んできた球に食らいついていたのが、至近距離の投球を全身で受ける。練習で腕があざだらけになり「しばらくの間、ボールが怖くなりました」。 だが、チームには捕手が必要だ。「オレがやるしかない」と心を決め、練習を続けた。 仲間の助言を聞き入れ、練習試合で気づいたことをいつもノートにとって勉強する姿は、監督をもうならせた。 成果はこの日、有力校の仙台一を打たせて捕る的確なリードにも表れた。「先輩のリードはやりやすかった」と、登板した2年生投手も信頼を寄せる。 しかし、してやられた、と思う。「瞬間的な判断力の大切さを実感しました。ここで終わりたくない。野球を続けたい」 外野手から捕手への転身で、野球の奥深さを知った。泣きはらして真っ赤な目は、しっかりと次の目標を見据えていた。 |