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三重ニュース

菰野、9回2死不屈の一発 逆転サヨナラ勝ち 三重大会

2007年07月26日

 「まさか」が起こった。1点差の9回裏2死二塁、カウントは2―2。菰野の3番伊藤司君(3年)が無心で振ったバットは、継投した日生第二の田辺巴君(2年)の直球を芯で捕らえ、打球は左翼席に飛び込んだ。

写真日生第二―菰野 9回裏菰野2死二塁、伊藤司が左翼席に逆転サヨナラ2点本塁打を放つ。二塁走者有馬、遊撃手田中=霞ケ浦

 球場が一瞬、静まりかえった。

 一塁をけった時点で、伊藤君は本塁打を確信した。二塁を回ったところで、ベンチから仲間が飛び出すのが見えた。

 一呼吸おいて、球場にわき起こる悲鳴と歓声。

 敗退を意識して目にたまっていた悔し涙は、逆転サヨナラ勝ちのうれし涙に変わった。

 この直前「まさか」はもう一つあった。

 菰野が1点リードしていた9回表。速球が武器の主戦西勇輝君(2年)が日生第二の4、5番を連続三振。2死走者なしの場面だ。

 西君の好投で、菰野の勝利のムードだった。しかし、日生第二の金本一晃主将(3年)が二塁打。続く仲條リチャード聖也君(2年)の「まだ何かあるはず」と信じた一振りが、菰野を暗転させる。

 内角高めのスライダーは左翼席場外に消えていき、土壇場で試合がひっくり返った。

 9回表の守備を終えた西君はベンチに戻ると、シャツのすそで、こみあげるものをぬぐった。帽子で顔を隠し、涙ぐむ選手もいた。

 一転、追いつめられた菰野の選手らはベンチから祈るように、伊藤君の打席に見入っていた。

 伊藤君は今大会の安打がまだ1本だけで、本調子とはほど遠い。しかし、戸田直光監督は「結果は気にせず、思い切り振れ」と指示した。

 「絶対打ってやる」

 伊藤君とベンチの選手らの思いは、再逆転のサヨナラ2点本塁打となって結実した。

 戸田監督は「夢をつないでくれました」。顔はやや紅潮していた。

 伊藤君は「監督やチーム、野球の神様に感謝です」。金本主将は「負けたけど、全力でプレーした。後悔はない」。

 筋書きのない好勝負を終え、2人とも晴れ晴れした表情で話した。


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