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神奈川ニュース

「伝統」背負い尽くし抜いた 横浜商・坂元主将

2007年07月27日

 8点差を追う6回裏、横浜商は2死から山形明人君(3年)が左前安打で塁に出た。横浜商ベンチの選手たちがメガホンを手に「行けーっ」「打てーっ」と打席の4番小野上幸平君(3年)に叫ぶ中、主将の坂元裕貴君(3年)は、「次につなげ」と声をあげていた。

写真ベンチの端から試合を冷静に見つめる坂元裕貴主将。好機を迎え、チームメートが「行けー」と叫ぶ横で、「つなげ」と声をあげた=横浜

 小野上君は四球を選んで一、二塁とする。打順は4回に本塁打を打っている鯵坂拓真君(3年)に回った。鯵坂君は中前適時打を放ち2点目。坂元君の思いが通じた追加点だった。

 部員全員の投票で主将に選ばれた坂元君には、大会前、大きなプレッシャーがあった。伝統のY高グラウンドには連日、多くの人が練習を見に来る。夏の大会、2年連続で初戦に敗退している野球部に「なんでこんなに弱いんだ」という声も浴びせられた。

 自分たちの練習を信じて続けるしかない。夏に勝って見返すしかない。そう思って耐えた。

 135人のY高野球部をまとめる坂元君は「皆に尽くす主将になろう」と決めた。打撃でも守備でも、自分より華のある選手はたくさんいる。常に冷静に試合を見て、的確な指示を与えることを自分の使命とした。

 この日も9番打者として2犠打を決め、つなぎ役を果たした。守備の時は投手が一球投げるたびに、必ずグラブと手をグラウンドにつけた。捕球への一歩目を低く、速く出るため、自らに課した決まりごと。一球も怠らず、最後まで貫いた。

 チームはコールドで敗れた。しかし、この夏、Y高の校歌が4回、球場に響いた。「負けて悔しい。でも、少しホッとしました」。試合を終え、重圧から解き放たれたきまじめな主将の表情は晴れやかだった。


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