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神奈川ニュース

指も足も「限界」、でも気持ちで投げた 上溝南・中村君

2007年07月12日

 延長は14回裏。1死満塁の場面で上溝南の投手中村剣大君(3年)は初球、捕手のサインにうなずき、思い切り腕を振った。内角直球を振り抜いた大船の白畑大地君(2年)の打球は遊撃手のグラブをはじき、左前へ。沸き上がる相手ベンチ。マウンドで中村君は、転がる球をぼうぜんと見つめていた。

 前半、制球に苦しむ坂部祐太朗君(2年)を見て「いつ声が掛かってもいけるように心の準備はできていた」。それでも、5回1死満塁の場面でマウンドに立つと、緊張感で思うように腕が振れず、押し出し四球を与えてしまう。

 「これが夏の大会か」。気持ちを切り替え、打たせて取る投球に変えて後続を断った。

 同点に追いつかれた8回、右手の中指のツメが割れた。仲間に気付かれないようベンチ裏でこっそりツメを切った。12回からは右足に痛みを覚えたが、こらえながら投げた。

 「延長戦になって、『気持ちだ』と自分の体に言い聞かせて投げた。でも、相手の気持ちに勝ることができなかった」。そう言って中村君は唇をかみしめた。

 それでも、気持ちを込めた熱投はチームに勇気を与えた。板垣肇監督も「球が抜けていたし、足もしんどそうだったが、もう中村に託すしかなかった。気迫だけでよく投げてくれた」とねぎらった。

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