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ここから本文エリア 鹿児島ニュース 自信の直球、左翼席に 鹿児島商・福岡投手2007年07月23日 ひざからマウンドに崩れ落ちた。
6回表、2死一、二塁。捕手の藤井智之君(17)のサインにうなずき、内角へ直球を投げた。打球は大きな弧を描き、左翼席へ。3人が本塁を踏んだ。 感情を表に出さないエースが初めて見せる、動揺した姿だった。 昨秋から、1人で投げ抜いてきた。エースで4番。春の甲子園では初戦で0―1と惜敗した。「自分が点をやらなければ」。走り込んで体重を6キロ落として73キロに絞り、照準を夏に合わせてきた。 だが、体は悲鳴を上げていた。3回戦の中種子戦後、朝起きたら39度の熱があった。学校を休み、翌日は練習に参加したものの、立っているのがやっとだった。準々決勝は延長11回を投げ、へとへとだった。 「リベンジする」。チームの合言葉を唱え、甲子園での雪辱を胸に、立ったこの日のマウンドだった。 本塁打の後、内野が集まった。藤井君が声を掛けた。「逆転するからここは抑えてくれ」。うなずく顔は、いつもの落ち着いた表情に戻っていた。 敗戦後は、涙が止まらなかった。だが、本塁打は「打った相手が一枚上だった。投げた球に悔いはない」。 この日は選抜大会を除けば、公式戦での初の負けだった。「今まで勝ってきたこと、それが自分の財産」。社会人で野球を続けるつもりだ。 円陣で仲間の肩にもたれかかった。そのエースに、床次隆志監督(39)は「お疲れさま」と声をかけた。 夏が終わった。 |