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ここから本文エリア 星稜(石川)ニュース 星稜 6回に悪夢 先制もリズムに乗れず2007年08月14日 第89回全国高校野球選手権大会に石川代表として9年ぶりの出場を果たした星稜は12日、初戦で長崎日大(長崎)と対戦した。先制点を挙げたものの、1―3で逆転負けした。アルプススタンドには約2700人の大応援団が駆けつけ、最後まで大声援が送られた。
3回表、四球を選んだ島内を、北風が犠打で送った。1回の攻撃と同じ展開に持ち込んだ。二塁走者の島内は高木の打席で盗塁のモーションを繰り返し、長崎日大のエース浦口にプレッシャーをかけた。高木の打球が右前に落ちたのを見て、三塁コーチの森川が思いっきり手を回した。島内が全力で生還、1点を先取した。「点が入れば、ほめられるのはいつも走者」だ。森川は「おれが回した」と、両手でガッツポーズをした。 本塁を踏んだ島内は、まず自分の仕事が果たせたことがうれしかった。昨秋、「主将をやらないか」と言われたときは、すぐ引き受けられなかった。人前で何かをするタイプでも主将向きでもないと思う。それでも今は周りを見るようになり、責任感も出てきた。チームが勝てば喜びも2倍。「何事も経験が大事なんだな」と実感していた。 5回裏、高木は無死から2本目の右前打を浴び、走者を抱えた。投前に転がった打球を高木が拾ってすばやく二塁へ。1年の遊撃手谷内が一塁に送球して併殺に成功した。高木は5回まで三塁を踏ませなかった。 6回裏、中前にふらふらと上がった飛球を新井が捕球しようとスタートを切った。「とれる」と思ったが読み誤った。浜風は予想以上に強く、グラブの先に当たった打球がはじかれて安打になった。この回2点を奪われ、逆転を許した。 7回表、島内は内野安打で出塁したあと、50メートル5.9秒の俊足を生かしてサインなしで走った。頭からつっこんで成功。しかし次のサインはまた「盗塁」。再び頭からつっこんだものの三盗は失敗した。「三盗はしたことがなかった。驚いて受け身になり、スタートが遅れた。自分のせいです」と悔やんだ。星稜は毎回のように走者を出してもあと一打が出ず、リズムに乗りきれない。 7回裏、1死二塁。高木が投じた低めのカーブはバウンドして橋本のマスクに当たった。後方にそれた球を見失う間に二塁走者が一気に生還、3点目を失った。橋本は「何が起きたのか、よく分からなかった」。 高校で捕手になった橋本は、体で球を受け続け、アザが絶えなかったが、それを「練習の証し」と思った。体に当たればボールの行方はすぐ分かるが、マスクに当たることはめったになかった。甲子園のグラウンドの怖さだった。 8回裏、抜けるかという打球を二塁手北風が好捕。1回転して一塁に送ったが惜しくもセーフ。さらに安打などで2死満塁のピンチを迎えた。今度は左前に鋭いライナーが飛んだ。 左翼の中井は、運動神経が抜群の二つ上の兄・啓介の背中を見て育った。その兄が小学5年で脳卒中で倒れ、右半身が動かなくなった。ほぼ回復したものの、前のようには野球はできなかった。「兄ちゃんの分も、自分はプレーで頑張りたい」。中井は3回2死一、二塁にも、応援に駆けつけた兄に「見てくれ」と言わんばかりに右翼に飛んだ打球を好捕。打っても3打数2安打だった。7回から左翼の守備についた。飛んでくる打球に向かって走り、しっかりとつかんだ。最終回の反撃を期待させる好守備だった。 9回表、中井と、代打の1年糸畑が三振。北川良監督は続く平野に「センター狙いで思いっきり振っていけ」と指示した。平野も「色んな人の支えで打席に立てているんだ」と感謝を胸に打席に立った。しかし、自分本来のスイングができずに空振り三振。それでも一塁側スタンドの大応援団から歓声と拍手が響き渡った。星稜の夏が終わった。 |