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石川ニュース

双子の弟、思い兄に託す 辰巳丘・辻口亮太選手

2007年07月18日

 「後につないで、思いっきり前に飛ばそう」。7回、辰巳丘の先頭打者辻口亮太の打球は左前に転がった。6回まで無安打に抑え込まれた。チーム初安打にベンチは沸き返った。この一打で流れに乗って反撃。2点を返した。

写真辰巳丘・辻口亮太選手

 双子の兄が津幡の主将、辻口翔太だ。幼稚園の頃から野球を始め、小学校も中学校も同じチームで野球をしてきた。でも「違うチームで勝負がしたい」と、高校は別々の道を選んだ。

 高校に入ってから、ライバル意識が強くなった。春の県大会、3回戦で津幡と対戦した。試合前夜から家の中では緊張が走っていた。2人とも顔を合わせないように夜遅くに帰宅。朝も一言もしゃべらずに家を出た。試合は3―1で津幡が勝ち、そのまま勝ち進んで優勝した。練習試合も、公式戦もいつも辰巳丘の負け。弟の亮太は「夏こそリベンジしたい」と、思いをたぎらせて練習に取り組んできた。

 迎えた1回戦。相手は昨夏も敗れた鹿西だ。辰巳丘は序盤に奪われたリードを奪い返せずにいた。2点を追う8回の4打席目。カウント2―2から打球を遊撃手の前に転がし、一塁まで全力で駆け抜けて頭から滑り込んだ。判定はセーフ。最後まで攻め続けた。しかし追い上げきれずに2―4で敗れた。

 「早い3年間だったな」。試合後、負けた実感がわかなかった。でも落ち込んではいられない。家に帰る前に気持ちを切り替えなければ。試合が近い兄に「おれの分も頑張ってくれ」と伝えて応援に回るつもりだ。

 兄の翔太は、亮太の試合結果に決意を新たにした。「亮太が勝てんかった分、自分が勝って甲子園に行く」。19日、今度は翔太が初戦を迎える。=敬称略

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