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茨城ニュース〈特集〉

〈それでも…野球が好き3〉けが越え支え合う

2007年06月28日

 5月にあった水戸桜ノ牧と他県の高校との練習試合。小池亮介君(3年)は約半年ぶりに左翼手として先発出場した。一塁を守る同じ3年生の梶山晶大君は、守備位置に向かう小池君の姿を見て「ようやくここまできたな」と思った。2人で試合に出られることが何よりもうれしかった。

写真学校の周りをランニングする梶山晶大君(左)と小池亮介君=水戸市で

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 小池君と梶山君の2人は入部当初、エースを目ざして競い合うライバルだった。小池君は、レギュラークラスが集まるAチームで投げる期待の新人。内野手だった梶山君もセンスを買われてすぐに投手に転向し、Bチームの試合に出場していた。だが、2人が声をかけ合うことはなかった。

 入学してすぐの5月、春日部共栄(埼玉)との練習試合に、小池君が先発登板した。直球に力があり、制球も抜群。打者を次々に三振に打ちとる小池君の投球に、梶山君は圧倒された。だが、この試合で小池君は脇腹を痛めた。

 翌週の練習試合。小池君は2回5失点で降板。続いて登板したのが梶山君だった。変化球がよく切れ、3回を無失点に抑えた。「自分よりすごいかもしれない」。脇腹を押さえながら、小池君は焦りを感じた。しかし、その梶山君も2週間後、練習試合でひじをけが。ほかの選手と練習できない2人は、一緒に学校の周りを走り出した。

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 「いつになったら投げられるのか」。2人とも焦りや不安はあったが、口には出さなかった。ただ、少しずつ会話は増えていった。「全快したら思い切り投げる。その時は勝負だ」

 だが、小池君は1年の冬に肩、2年の秋にはひじを痛める。梶山君も2年の春先にひじをけがし、手術を受けた。2人でランニングをする日々が続いた。

 2年生の冬。白い息を吐きながらのランニング中、梶山君は痛みの引かないひじをさすりながら、「本当に手術してよかったのかな」とふと漏らした。隣で走る小池君は、無言のままだった。梶山君は自分の言葉を黙って聞く小池君を見て、「自分より苦しいのは小池なのかもしれない」と思った。

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 梶山君は、自分がひじのリハビリに通った千葉県の病院を小池君に紹介。小池君は、梶山君がキャッチボールやランニングでペースを上げすぎるのを見ては、「飛ばしすぎるな」と言って気遣った。「2人でチームに復帰しないと勝負出来ませんから」と口をそろえる。

 梶山君は内野手として今年の春先から少しずつ試合に出られるようになった。小池君も外野のレギュラー争いに名乗りを上げるまでに回復した。

 マウンドにはエースとして別の3年生が上がっているが、2人とも今は野球が思い切りできること自体が、うれしいと感じている。

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