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広陵(広島)ニュース

広陵、頂点へあと1勝 主将の一発チームに勢い

2007年08月22日

 悲願の初優勝まで、あと1勝――。広陵は21日、準決勝で常葉菊川(静岡)に4―3で競り勝ち、40年ぶりの決勝進出を決めた。初回に本塁打で先制し、8回には相手の裏をかくスクイズで追加点。最終回に粘られ1点差まで詰め寄られたが、最後まで集中力を切らさなかった。広陵は22日午後1時から佐賀北との決勝に臨む。

写真8回表広陵1死三塁、三塁走者上本崇は山下のスクイズで生還。捕手石岡

 1回2死、待ちに待った主将の一発が飛び出した。カウント1―1から4球連続ファウルで粘り、真ん中低めの甘い球を振り抜いた。打球は右翼ポール際に飛び込み、先制本塁打に。びっくりしたような表情を浮かべながらダイヤモンドを駆けた。主砲・土生にとって、公式戦では昨年11月の明治神宮大会以来の本塁打だった。

 土生は「よく伸びてくれた。今大会はなかなか打てなくて、足を引っ張っていた」と振り返る。準々決勝の今治西戦で適時二塁打を2本放ち、「楽な気持ちで打席に立てた」。頼れる主将が完全に調子を取り戻し、チームが勢いづいた。

 8回、1死三塁。4番の山下は打ち気満々で打席に入った。ベンチを見ると、意外なサインが出た。スクイズ。でも、迷いはなかった。「絶対に決めてやる」

 三塁走者・上本崇が好スタートを切った。山下は、転がせば大丈夫だと思った。打球は投手の正面へ。上本崇が素早く滑り込んで点差は4点に広がった。小学2年から野球を始めた山下にとって、スクイズをしたのは初めてだった。

 バントには、苦い思い出がある。昨年の練習試合。山下は本塁打と二塁打を放っていた。ベンチで中井監督に「送りバントしてみろ」と言われた。「何でバントなんじゃ」。納得できないまま試みたバントは失敗。

 中井監督は山下のそんな気持ちをすぐに見抜き、交代させた。「お前は調子に乗っとる。そんな考えなら、野球せんでええ」。その試合中、ずっとバント練習をさせられた。2試合目の途中に「バントをさせて下さい」と直訴して出場。きっちり決めた。

 山下は「スクイズの1点がなかったら、勝っていなかった。今日はチームに貢献することができた」と笑顔だった。

 3点リードで迎えた9回。2死のあと、2連打で1点を返される。広陵はタイムをかけ、マウンドに内野陣が集まった。伝令の大礒が声をかける。「あと一つ、落ち着いてとっていこう」。いつもならとぼけた発言で笑わせるはずの伝令も、この日は違った。大磯は「笑わせる余裕がなかった」。次打者にも中前適時打を浴び、ついに1点差となった。

 「まだ、あと1点ある」。マウンド上の野村は自分に何度も言い聞かせた。そして、142球目。外角低めの変化球で三ゴロに打ち取ると、野村は控えめなガッツポーズを見せた。野村は「ここまで来たら絶対に優勝する」と話していた。


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