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広島ニュース

ピンチに一丸、合言葉は「ドラえもん!」 大柿

2007年07月22日

 1回裏、無死二、三塁のピンチで、大柿の内野陣がマウンドに集まった。真ん中に三塁手の兵間(ひょうま)将吾君(18)がしゃがみ込み、他の選手たちが兵間君の頭の上に手を置いた。みんなにやにやしている。兵間君は頭の上の手をはじきとばし、発射するように垂直に跳びはねて叫んだ。「ドラえもんっ!」。選手たちはゲラゲラ笑いながらそれぞれの守備位置に戻っていった。

写真「ドラえもん!」。マウンドに集まった選手たちは、笑顔をはじけさせた=広島市民

 今大会が始まる直前に、ピンチの時に平常心を取り戻すためにみんなで考えた儀式だ。

 円陣の時に、ムードメーカーの兵間君を中に入れて、「何か面白い言葉を言おう」ということになった。

 兵間君は、遊撃手の沖本早司君(17)のあだ名がその容貌(ようぼう)から「ドラえもん」であることと、「困った時に、何か助けてくれそうだから」という理由で、「ドラえもん」の儀式を思いついた。今大会の初戦、自彊戦でもピンチの時にさっそく「ドラえもん」が、選手たちを助けてくれた。

 この日の対戦は優勝候補の広陵。5月の練習試合で、遠征中の主力選手たち以外のメンバーに20点近く差をつけられて負けた相手だ。

 「気持ちだけは負けない」。気合を入れて臨んだが、1回から5点を奪われる苦しい展開。それでも、しぶとく食い下がった。4回には5点を追う場面ながら、1死一、三塁から竹本司君(17)が鮮やかにスクイズを決める。5回には相手の暴投で1点を取り、3点差にまで詰め寄った。「勝てるかもしれない」。大柿ベンチは活気づいた。

 だが、6回に2点を奪われると、8回にも無死一、三塁のピンチ。ここでまた、マウンドに内野陣が集まった。円陣の中心でかがみ込んだ兵間君が跳びはねた。「アンパンマン!」。意表を突かれた選手たちに、また笑顔が戻った。しかし、さらに2点を奪われ8回コールド負け。

 兵間君は「笑わせよう、楽しもうと思ってやった」。主将の大下聖也君(17)は「今日の試合はくやしさ半分、満足半分です」。試合後、目を赤くしながらも笑顔を見せてくれた選手たちは、かっこよかった。


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